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【神奈川】

被災地思い出して 湯河原の梅原さん、石巻のヒマワリの苗配布

通りがかった女性にヒマワリの苗を配る梅原さん(右)=湯河原町で

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 東日本大震災の被災地で咲いたヒマワリの種をもらい、地元で増やす活動に取り組んでいる湯河原町土肥の農業梅原雄蔵さん(70)が二十六日、JAかながわ西湘湯河原支店前で、自宅で育てた苗二百鉢を無料で配布した。「被災者を明るく照らす太陽のような花に」との願いを込めた。 (西岡聖雄)

 梅原さんは震災直後の二〇一一年四月から四十回、被災地を訪れた。最初の半年は泥出しや片付けに汗を流し、翌年からはワカメ漁の手伝いもした。軽トラックを運転して一人で行く時は七〜十日滞在。仲間と向かう時は金曜夜にバスで東京を出発し、日曜夜に戻る。一二年以降は毎秋、友人のミカン農家向笠進さん(81)から贈られる段ボール二十箱分、百キロのミカンを軽トラで三陸へ運んでいる。

 被災地との縁は、東京五輪が開かれた一九六四年にさかのぼる。高校二年当時、地理の授業で「東京は五輪前で浮かれているが、地方のことも知らねばならない」と教わり、夏休みに二週間、友人と三陸を旅行した。宮城県石巻市を二人で歩いていると、「泊まる所あるの?」と声をかけられ、民家に宿泊。お寺や小学校の宿直室にも泊めてもらった。

 震災発生後、思い出の地の惨状を伝える映像に衝撃を受け、お菓子百袋を準備し同市へ向かった。高校時代に宿泊した民家や寺院計四軒を回り、無事を確認。家屋や側溝から泥を取り除くボランティアをした。

 復興のシンボルとして同市で咲いたヒマワリの種を譲り受けたのは一二年九月。栽培すると大輪をつけ、心が躍動した。「被災者を勇気づける花を神奈川に根付かせたい」と一三年に苗を配り始め、今年で六回目。今年は二十センチほどに成長した苗二百鉢を配り、湯河原町と真鶴町の小中学校にも計三百鉢を贈った。

 震災を風化させまいと、多くの児童が犠牲になった同市立大川小、乗り捨てられた消防車、くの字に曲がった電柱など梅原さんが撮影した写真百四十枚も展示した。梅原さんは「ヒマワリを育てながら、多くの人に被災地を思い出してもらえれば」と話した。

 梅原さんは希望者に苗を無料でプレゼントしている。問い合わせは=電090(4133)2929=へ。

 

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