東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 神奈川 > 記事一覧 > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【神奈川】

中原生まれの三輪電気自動車 新たな活路 海外に照準

改造前後の車両が並ぶ工場。「利用者からは好評です」と話す松波社長=中原区で

写真

 川崎市中原区のベンチャー企業「日本エレクトライク」が開発し、二〇一五年に量産に必要な国土交通省の型式認定を受けた三輪電気自動車「エレクトライク」。当初は年間百台単位で生産を目指したが、国内の販売状況は今一つ。海外での生産、販売に活路を見いだそうとしている。 (小形佳奈)

 松波太郎社長(33)によると、エレクトライクは、父・登会長(69)が、昭和の時代に活躍したダイハツ工業のオート三輪自動車「ミゼット」に憧れて開発した。

 オート三輪は、走行中にカーブで倒れやすい欠点があったが、左右の後輪を別々のモーターで動かし、制御することで安定性を高めた。家庭用百ボルトの電源で十時間充電すると、約六十キロ走行できる。最高時速は四十九キロ。普通免許で運転できる。宅配や移動販売用に需要があるという。

 インドの大手三輪自動車メーカーからガソリン車を輸入、エンジン部分を取り外して電気モーターとバッテリーを組み込んでいる。こうした改造に費用がかかり「本体価格は百六十万円から下げられない」と松波さん。

 クリーンエネルギー自動車購入に対する国の助成も、発売当初に比べて大幅に減額され、一五年度百台、一六年度二百台を目標としていた販売台数は、現在までに計約六十台と伸び悩んでいる。このため松波さんは、貨物用オート三輪の需要が高い中国やインドで、車体の製造から販売までを担う企業との提携を模索している。

◆乗り心地、音も静か

 エレクトライクの試乗会が十六日、幸区内で開かれた。企画したのは中原区の武蔵小杉エリアに関心のある人たちが集まる学びの場「こすぎの大学」。運営者の一人で会社員の岡本克彦さん(45)は、同エリアにある日本エレクトライクの本社前を通るたびに気になっていたそうで、「飛び込みで試乗会をお願いした」という。

 親子連れなど二十四組が参加し、松波さんに開発の経緯や操作法を教わり、試乗した。参加者からは「乗り心地も音も静か」「ヘルメットいらないんだ」などの声が上がった。中原区の会社員高橋麻美さん(40)は「車の概念が変わりそう。子どもたちにアイデアを募ったら多様な使い方ができるのでは」。

 記者も運転してみた。走り出しは遊園地の乗り物を思わせるのどかな感じだったが、右手のスロットルを回すと、あまりの加速のスムーズさに、怖くなり足元のブレーキを踏んでしまった。参加者の一人が発した「バイク以上軽自動車未満の絶妙さ」との感想が言い得て妙だった。

◆フロンターレは用具運搬に活用

 三年前の発売後、すぐに導入したサッカーJ1川崎フロンターレは、麻生区の練習場で、ボールや用具、選手の飲み物などを運んでいる。広報担当者は「それまでは手押しの台車を使っていたので用具係の負担が減った。小回りが利くので練習以外でも荷物の運搬に使っている。次もエレクトライクを購入したい」と話している。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報