東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 神奈川 > 記事一覧 > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【神奈川】

「国際子育てひろば」開設22年 中原区の日本語教師・米沢悦子さん

インド人の親子に話しかける米沢さん(右)=中原区で

写真

 川崎市中原区の日本語教師米沢悦子さん(68)が、市内に住む外国人と日本人、双方の親子が交流する「国際子育てひろば『コアラ』」を始めて20年以上になる。参加者が活動計画を立て、互いの文化を知る場にもなっており、米沢さんは「私自身も楽しい」と充実ぶりを語る。 (小形佳奈)

 七日午前、地域福祉活動の拠点施設「福祉パルなかはら」(同区今井上町)で開かれたコアラの定例会には、日本人八組、フィリピン人二組、インド人一組の親子が参加。子どもをあやしながら母親たちがおしゃべりし、各自が持ち寄ったアイスクリームやシリアル、果物を盛り付けてパフェを作って楽しんだ。

 三年前にフィリピンから夫、長男と来日し、昨年五月からコアラに通うカミネロ・ライザさん(40)は、昨春、市外から転入手続きをする際に区役所でコアラの活動を教えてもらったという。日本語が話せず幼稚園に通えない長男ユキくん(3つ)が、同世代の子どもたちと一緒に遊ぶ貴重な場になっている。

 米国留学の経験がある米沢さんは四十歳の時、中原市民館で開かれていた日本語教室の教師に。日本人男性と結婚して教室に通う外国人の女性たちから「覚えた日本語で友達をつくりたいのに、真っ先に夫婦げんかをしてしまう」と嘆きを聞いた。教え子の一人が「日本に来なければ良かった」と帰国してしまった経験をきっかけに、一九九六年一月、国籍を問わず親子で交流できる場を開いた。

 夫の帰宅が遅いのを理解できない外国人女性に、他の参加者が日本の会社員の労働実態を伝え、「浮気じゃないよ」「うちも同じ」と話すと納得する場合が多いという。ライザさんは「ここに通い始めてすぐに長女の妊娠が分かり、病院や妊婦健診について教えてもらった」と話す。

 「運営が大変でやめたい時期もあった」と米沢さん。今ではベテランの参加者が運営マニュアルを作り、会費徴収や連絡担当を分担し、行事計画を立てる。月二回の定例会にはゼロ〜三歳の子どもと母親が二十〜四十人参加し、自国文化の紹介や季節の行事を楽しむ。

 コアラの「卒業生」の出身地は、四十カ国に及ぶ。昨年は、二十周年の歩みを振り返る冊子(A4判九十ページ、五百円)を発行。インドやフランスからも思い出をつづる文章が寄せられた。米沢さんは「これからも会員と一緒に相互理解を深める遊びや学びを続けていきたい」と話す。

 問い合わせは米沢さん=電044(722)7981=へ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報