東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 神奈川 > 記事一覧 > 7月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【神奈川】

ヒデキの遺志引き継げ 宮前であすから平和のための原爆展

展示する作品を選別する実行委員会のメンバーたち=宮前区内で

写真

 「核廃絶と平和」をテーマとする「第7回 宮前区平和のための原爆展」が6日から川崎市宮前区の宮前市民館と同区役所で開かれる。鉄の造形作家、故・武田美通(よしとう)さんの作品2点が特別出展されるほか、第1回から「賛同人」として同展を支え、5月に亡くなった歌手西城秀樹さんへの感謝と追悼の言葉を掲示し、核廃絶を求めた西城さんの遺志を引き継ぐ。 (安田栄治)

 武田さんは北海道出身。新聞記者などジャーナリストを経て、六十歳を前に造形作家に転身。以後、戦争の惨禍を鉄で創造した「戦死者たちからのメッセージ」の制作に取り組んだ。二〇一六年五月に八十歳で亡くなるまで戦死者たちの無念や悲しみ、やさしさなどを表現する作品を残してきた。

 今回展示されるのは代表作の一つの「残された数秒の母子のいのち」。わが子を抱く若い母親の手には安全ピンの外れた手りゅう弾が握られ、数秒後に爆発するという創作で、戦火に追い詰められて自決する民間人の無念さを表している。もう一点は「被ばく、そして黒い雨が…」で、被爆直後の悲惨な被爆者の姿から悲しみと絶望を訴えている。

 主催する同展実行委員会の田中光雄委員長は「展示会を続け、戦争の怖さを伝えてきました。武田さんの作品は、写真や絵画とは違う戦争の悲惨さやむなしさを突きつけられる。なぜ、このようなことが起こったのか、作品をじっくりと見て考えてほしい」と話している。

 広島県出身の西城さんは同区有馬に住んでいた一〇年、同展の第一回から賛同人となり、横浜市に転居後も毎回、賛同のメッセージを届けてきた。田中委員長は「大スターなのに気さくな方でした。『あの悲惨な(原爆の)被害を絶対に繰り返してはならない、特に若い人たちに伝えていかないといけない』と話されていた。その遺志を引き継いでいきたい」と言葉に力を込めた。

 同展は十一日まで。六日午後一時から同区役所で開会式を行い、同日午後二時半から被爆者の講演会「草の根の運動が歴史を動かした〜核兵器禁止条約採択後、これから〜」を市民館で開く。このほか、広島平和記念資料館から借用した被爆資料や絵画、同区内の幼稚園児や中、高校生らの平和を願う作品、市民の絵画、書、短歌の公募作品など約二百点が展示される。

 開催は午前九時〜午後五時(区役所会場は土曜午後と日曜休み)。入場無料。問い合わせは同実行委員会=電090(1884)0296=へ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報