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【神奈川】

残業するほど早く昇進? 県職員「副主幹級」勤務を本紙分析

夜になっても電気が消えない県庁新庁舎=横浜市中区で

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 本紙が県の一部職員の勤務状況を分析したところ、残業時間が長い職員ほど早く昇進する傾向にあることが明らかになった。ここ数年、過労死や過労自殺が社会問題化し、長時間労働への対応は喫緊の課題になっている。専門家は「長時間労働を前提にした人事評価では、健康を害する危険がある」と警告している。 (志村彰太)

 本紙が分析したのは約九千人の県職員(警察と教員、技術職を除く)のうち、係長級の「グループリーダー(GL)」に準じる「副主幹級」に二〇〇三〜〇五年度に昇進した三百人。一一〜一七年度の年度別残業時間などのデータを、県人事課から提供を受けた。

 分析結果では、一七年度までに課長級以上になった職員(九十三人)の月平均残業時間は二〇・八時間。GLまでの職員(二百七人)は同一二・五時間と約八時間短かった。

 個人で最も残業時間が長かったのは、本庁に勤務する課長級の同八三・一時間(一五年度)。計算上、年間を通して過労死ライン(月八〇時間)を超えていた。ただ、課長級以上九十三人の平均残業時間は、データ上は一日一時間程度にとどまった。大半は残業時間を過少申告しているとみられ、本紙の取材に複数の職員が「サービス残業や未申告の休日出勤がある」と証言した。

 国会で六月、労働時間規制や残業代支払いの対象外とする「高度プロフェッショナル制度」の創設を認める「働き方」関連法が成立するなど、長時間労働への関心が高まっている。

 東レ経営研究所(東京都千代田区)で仕事と家庭の両立を研究する渥美由喜(なおき)・主任研究員は「残業と引き換えに昇進する組織では、能力があっても残業できない人は端から出世を諦め、仕事への熱意を失う。昇任したい人は、仕事を抱えすぎてしまう。幹部の価値観を変え、決められた時間内での成果を比べる評価にしないと残業時間は減らない」と強調した。

◆幹部の意識改革を

<人事を担当する中島正信副知事の話> 残業を評価してきたわけではないが、データが示されたので具体的な状況を把握したい。研修をし、幹部の意識改革も進める。

 

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