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【神奈川】

<「やまゆり園」事件から2年>「友達同士 一緒に学ぶ」 横浜・中村小と中村特支、日常交流40年

ミシン糸の取り付けなどを手伝う溝口君(右)=横浜市南区で

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 二十六日で発生から二年がたつ津久井やまゆり園(相模原市緑区)の殺傷事件は、植松聖(さとし)被告(28)=殺人罪などで起訴=の障害者への差別思想が伝えられ、障害の有無にかかわらず認め合う「インクルーシブ(包摂)教育」を再考する契機になった。横浜市南区の同じ敷地にある市立中村小学校と同中村特別支援学校(特支)は約四十年にわたり日常的に交流。全国から視察が相次ぐなど注目が集まっている。 (志村彰太)

 「ミシンで袋を縫う授業の続きです。終わった人は他の子を手伝って」。今月十二日、同小六年の三十五人と特支小学部六年の六人が、同小の教室で家庭科の授業を受けていた。

 同小の児童は自発的に特支の児童を手助け。ミシンに糸を取り付け、特支の尾形千里(ちさと)君(11)の操作に合わせて布を動かしていた溝口翔斗(ひろと)君(12)は「一年の頃から友達だから手伝うのは当たり前。特別なことじゃない」と話した。

 同小は一九五一年に開校。七九年に、土地不足のため同じ敷地に特支の校舎を建設して開校(当初は上菅田養護学校の分校)したのが、結果的に交流を促進した。一階の渡り廊下で校舎がつながり、同小の児童は休み時間に自由に特支の教室に出入り。授業では、各学年とも月に一回は、家庭科や音楽、総合学習のいずれかを一緒に行う。五月の運動会も合同で開き、共にソーラン節を踊る。

 同小の金子郁規(ふみのり)校長(53)は「インクルーシブという言葉を持ち出すまでもなく、友達同士として当たり前のように関わり、一緒に学んでいる」と語る。

 特支PTA会長の佐藤恵さん(47)は、長女瑠依(るい)さん(16)=高等部一年=が重度の身体障害者。小学部に入学当初「中村小の子と、うまくやれるだろうか」と不安だったが、すぐに解消した。「偏見や過剰な気遣いなく関わってくれて、娘も笑顔が増えた」と喜ぶ。

 ただ、学校の外に出れば、バス乗車時や温浴施設利用時に、周囲から露骨に嫌な顔をされることがある。佐藤さんは「障害者を隔離せず、この学校のように日ごろから交流していれば、差別と偏見はなくなるのでは」と強調した。

 

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