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【神奈川】

オウム全死刑、囚刑執行 坂本弁護士の級友「社会全体で再発防止の必要」

 オウム真理教の元幹部六人の死刑が二十六日、執行され、死刑囚十三人全員の刑の執行が終わった。県内では一九八九年、坂本堤弁護士=当時(33)=一家殺害事件が起きた。区切りを迎えたとはいえ、三人が戻ることはない。坂本さんを知る人たちは、あらためて悔しさをにじませた。

 「十五歳の頃から『弁護士になって困った人を助けたい』と言っていた」。坂本さんと県立横須賀高校で三年間、同じクラスだった元横須賀市部長の森山武さん(61)はこう振り返った。

 弁護士として「オウム真理教被害者の会」の結成を支援し、教団と対峙(たいじ)していたと事件後に知った。「夢を実現したんだ」と思うとともに「なぜ彼がこういう目に遭わなくてはならないのか」と悔しさが募った。

 十一月四日の命日に合わせ、毎年クラスメートと一緒に墓参りする。坂本さんの母さちよさん(86)に顔を見せたいとの思いもある。「子どもや孫を失うのがいかにつらいか、年を取るに連れて分かるようになってきた。自分の親と思って接している」

 一連の事件から二十年以上たった今も、サリンの後遺症などで多くの人が苦しんでいる。「事件を教訓に、社会全体で再発防止に取り組まなければ」と語る。 (福田真悟)

◆同僚弁護士だった武井さん「6人の刑執行は残念」

 坂本さんと同じ事務所の同僚だった武井共夫弁護士は「濃淡はあるが、六人は麻原彰晃元死刑囚にマインドコントロールされていた。刑を執行しないでほしいと要望していたのに受け入れられず残念」と話した。

 武井さんは坂本さんの殺害後も、家族の依頼を受けて信者を教団から脱会させる活動に当たっていた。坂本弁護士事件に関与したとして、この日刑が執行された端本悟死刑囚(51)もその一人。静岡県富士宮市の教団施設に行き、直接呼び掛けたこともあった。

 岡崎(現姓・宮前)一明死刑囚(57)については「もっと早く素直に捜査に協力していたら、その後の事件はなかった」と述べた。

 岡崎死刑囚は事件後、教団から金を持ち逃げし、長男龍彦ちゃん=当時(1つ)=の遺体の遺棄場所を記した匿名の手紙を九〇年に神奈川県警に送っていた。県警が手紙に書かれた場所を捜索したものの遺体は発見できず、九四年六月に松本サリン事件、九五年三月に地下鉄サリン事件が起きた。 (加藤益丈)

 

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