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【神奈川】

「大口病院事件」容疑者再逮捕 従事者らが語る現場「終末医療は特殊」

入院患者が相次いで中毒死した旧大口病院=横浜市神奈川区で

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 横浜市神奈川区の旧大口病院(現横浜はじめ病院)で二〇一六年に入院患者二人が中毒死した事件で、八巻(やまき)信雄さん=当時(88)=への殺人容疑で同病院の元看護師久保木愛弓(あゆみ)容疑者(31)が二十八日、県警に再逮捕された。同病院は終末期の患者を数多く受け入れており、久保木容疑者は「患者が亡くなった際の遺族への説明が苦手だった」などと供述。関係者からは「終末期医療の現場は特殊」との声も上がる。 (志村彰太)

 「遺族に『なぜ治療を尽くさなかったのか』と怒鳴られ、つらい思いをした」。県内の病院で末期がんの患者を多くみとってきた女性看護師(30)は、「患者の命を奪う理由にはならないが」と前置きした上で、こう打ち明けた。

 別の病院に勤めるベテランの女性看護師は「社会復帰がかなわない患者の場合、延命の仕方に悩む」と語る。経管栄養や点滴で「管だらけ」の姿を見て、「人間の尊厳を守れているのか」と思ったという。

 若手の女性看護師も「終末期の看護は急性期に比べて変化が少なく、退屈と感じる人はいるかもしれない。一人で多くの患者を担当するため仕事がルーティーン化し、看護師としての役割を果たせているのか自問することがある」と話す。

 関東学院大看護学部の金井パック雅子教授は「遺族に丁寧に説明するのは看護師の職務の一つ」と強調する一方、終末期医療に携わる看護師への精神的なフォローは不可欠と指摘する。

 一例として、すでに一部の大学病院などが導入している、看護師が悩みなどを打ち明けられる専門看護師の配置を挙げる。それが難しい場合でも、普段感じていることを気軽に話し合う場を設けるなど、一人一人のメンタルをケアする体制づくりが必要と訴えた。

 

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