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【神奈川】

<ベルマーレだより>グラウンドキーパー 「早く現場トップに」

グラウンドの芝生を刈る荒川さん。「日々勉強」と向上心を忘れない=平塚市で(湘南ベルマーレ提供)

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 さんさんと日の光が降り注ぐ平塚市馬入のグラウンド。勢いよく散水ポンプが水しぶきを上げる。ぬれたピッチはボールの走りが良くなるからと、チームのリクエストを受け、練習前と練習中にポンプを操るのはグラウンドキーパーを務める湘南造園のスタッフだ。

 八月のある日、散水を担当していたのは、入社二年目を迎えたばかりの荒川翔磨さん(23)。チームのマネジャーと連携を取りつつ、練習の合間を縫い、水をまく。散水の操作盤とピッチの間に河川敷の土手があり、ボタンを押しては土手に上がって状況を確認する。そして土手を下り、ボタンを押すとまた駆け上がる。幾度かそれを繰り返すと、額に大粒の汗が光った。

 埼玉県志木市出身で、高校までサッカー部でプレーしていた。けがをして練習ができない時に、グラウンド整備やライン引きを担当していたことがきっかけで、グラウンドキーパーに興味を持った。いったん異なる職業に就くも、「サッカーに関わりたい」と転職を決意し、一度夢見た今の仕事にこぎつけた。

 素人からのスタートで、「思った以上に大変」と苦笑いしつつ、「毎日芝生が違う顔をしている。やりがいのある仕事だと思う」と誇らしげだ。まだまだ駆け出しの域を出ないと控えめだが、練習場の整備を一人で任される日もあって、日々成長を実感している。

 サッカーをする上で、ピッチコンディションは重要な要素の一つだ。昨年九月、台風が直撃してグラウンドが水没し、使用不可となった時は、チームも大きな打撃を受けた。入社間もなかった荒川さんも困惑した。「心が折れた。本当にこの後また芝生が生えるのだろうかと不安だった」

 それでも他のスタッフと共に懸命に作業を続け、シーズン終盤には再びピッチは緑色へとよみがえった。「ベルマーレが練習している姿を見て、感動して泣きそうになった」と振り返る。復旧後も選手の意見に耳を傾け、元のグラウンドコンディションに近づけられるよう、作業にさまざまな工夫を施した。

 「ようやく先輩たちの話についていけるようになってきました」と笑みがこぼれる。目指すは、指導を仰ぐ安嶋(あじま)大輔さん(44)。日々、芝の状態をつぶさに確かめながら整備計画を立て、実行していくチーフだ。「僕も現場のトップに立ち、自分でグラウンドを作っていけるようになりたい」。そう語る視線の先で、今日も鮮やかに緑が映える。

  (吉川真行=湘南ベルマーレ広報)

 

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