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【神奈川】

<城ヶ島だより>(4)至る所に猫 捨てられ、大切にされ

うだるような暑さにぐったりする猫を見つめる子ども=三浦市で

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 この夏の暑さに参っているのは人間だけではない。城ケ島灯台につながる、飲食店と土産店が並ぶ通り。朝捕れの地魚が人気の磯料理店「かねあ」の軒下で、看板猫「ミーコ」が両手を伸ばし、ぐったりと寝そべっていた。

 無防備な姿に「かわいい」と観光客が次々と近づく。人慣れしているのか、たまに目を少し開けるのみ。店の裏側に回ると、車の下に潜り込んで涼んでいる猫もいた。

 「店では今、三匹の面倒を見ている。この子たちを目当てに来る客も多い」と店主の尼野恭嗣さん(50)が話す。

 釣り人の集う磯辺、公園の木陰…。島を歩くと、至る所で猫に出合う。ペットの猫が勝手に島に来たとは考えにくく、多くは捨て猫とみられる。

 ミーコも七年前、店の裏にいるのを尼野さんが見つけて保護した。「ダニが体中に寄生していて、死んでしまいそうだった」。猫好きではなかったが、このまま見捨てるのは忍びないと、面倒を見始めた。「ずっと一緒にいるから、情は湧いてくる」。すっかり回復したしま模様の体に優しげな視線を送りつつ、「捨ててもいいって思っている人には腹が立つ」と顔をしかめる。

 愛好家を楽しませる一方、ふんなどの被害で頭を悩ます住民もいる猫。増え過ぎないよう動物愛護のボランティアが時折、去勢に訪れるほか、捨てる人がいないか警察が定期的にパトロールしている。遺棄すれば動物愛護法違反になる。

 自分の都合で捨てる身勝手さ、目の前の命を大切にする優しさ。人間のさまざまな一面に触れながら、島の猫たちは生きている。

<動物愛護法> 動物への虐待が社会問題化したのを受けて従来の動物保護法を全面的に改正し、罰則を強化するなどして2000年12月に施行された。猫は、犬や牛などと共に「愛護動物」に分類され、遺棄すると100万円以下の罰金。

 

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