東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 神奈川 > 記事一覧 > 8月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【神奈川】

<城ヶ島だより>(5)奇岩「馬の背洞門」 震災が生む「観光名所」

「馬の背洞門」(奥)の近くでテングサを干す金子さん

写真

 ぽっかりと空いた穴から、海と青空が見える。打ち付ける波と雨風の浸食により、長い年月を経てできた「馬の背洞門」と呼ばれる高さ八メートル、横幅六メートルの奇岩。城ケ島南側の海沿いにある、いかにも「インスタ映え」しそうなスポットに、若者たちが次々と集まってくる。

 「このところ島外から来る若い人が多いよ。東京から女の子二人で来たりとか」。近くでテングサを干していた島民の金子荘次郎さん(68)が話す。

 埋め立てが進んだ北側と違い、手つかずの自然の姿をとどめている島南側の岩礁帯。プレートが重なり合う場所に位置するため、地殻変動の影響を受けやすく、一九二三年の関東大震災など大きな地震が起きるたびに隆起を繰り返し、歩けるようになったという。「馬の背洞門」も、震災前は基礎部が水につかり、船が通れたとされる。

 東西に広がる岩礁帯は、観光の見どころであるとともに、島民にとっては欠かせない故郷の情景になっている。岩のそばでは、金子さんのほか、ウニ、サザエなどを潜って採る島民の姿も見られた。「子どものころ、夏はこの辺で小遣い稼ぎに潜っていた。今も、暑くて家にいられないと来たくなる」と金子さん。

 お盆休みには、西端の岩場にひしめくようにテントが張られ、家族連れがバーベキューと磯遊びを楽しんでいた。その光景に、地球の長い歴史がぎゅっと詰め込まれているような気がした。

<関東大震災> 1923年9月1日、相模湾沖を震源にマグニチュード(M)7・9と推定される強い揺れが起き、東京と横浜を中心に約10万5000人の死者が出た。城ケ島では、城ケ島灯台が全壊(25年に再建)するなどの被害があった。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報