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【神奈川】

<元気人@かながわ>地域皆で笑う場を 材木座らくご会席亭・山田博也さん(50歳)

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 鎌倉市材木座にある光明寺などの寺を会場としてはなし家を招き、八年前から春と秋に落語会を主催する。地域の子どもから大人まで誰もが気軽に集まれるように、との思いから「サンダル履きで行ける落語会」をコンセプトに掲げる。

 もともと落語は好きだったが、自ら会を開くとは思いも寄らなかった。二〇〇四年に建築家として独立し、同時に都内から移り住んだ材木座での暮らしに、背中を押された。「人情味あふれる街が好きになったんです」

 「イワシを煮付けたから」と持ってきてくれたり、漬物の好みを聞いて届けてくれたり。地域には、昔ながらの近所付き合いが残っていた。そうした中、芽生えたのが「年に何回か、大人と子どもが一緒に笑う場所をつくりたい」との思い。地域の良さを「キープする一助になれば」と考えた。

 友人らに声を掛け、一〇年十月に初の落語会を計画。会場には、地域を感じられる場所として寺を選んだ。すべてが手探りの準備だったが、不安をよそに約百五十人が来場。ドッと笑いが起きた瞬間「うれしくて涙が出た」。

 材木座で開く落語会以外にも、番外編と位置付けて市内の飲食店やギャラリー、クリニックなどで小規模な会を重ねる。学校寄席や自治会のイベントなども含め、携わった落語会は七十回に及ぶ。「あちこちでやっているのが楽しいはず。そういう雰囲気になったのは成功だったかも」

 九月十七日に十七回目の材木座らくご会を控える。毎回、景品が当たる抽選会を休憩時間に盛り込み、進行する際、革小物作家に依頼して作った野菜や果物のかぶり物をするのが、ひそかな楽しみなのだという。

 「落語にはいろんな登場人物がいる。いろんなやつがいるのが普通、それでいいんだよ、というのを受け入れる地域であってほしい。子どもたちが大人になって『小さいころ、お寺でゲラゲラ笑ったんだよ』と話して聞かせるようになったら、うれしいですね」

 九月十七日は午後四時から光明寺で。落語協会会長の柳亭市馬さんが出演する。前売り二千円、当日二千五百円、小学生以下無料(事前申し込みが必要)。問い合わせは同会=電090(1200)1680=へ。 (北爪三記)

◆私の履歴書

1968年 山形県で生まれる

 87年 県立山形南高校を卒業。建築を学ぶため、東京都内の専門学校に進む

 89年 専門学校を卒業し、都内の設計事務所に就職

2004年 仲間と一級建築士事務所を立ち上げ、独立。都内から鎌倉市材木座に移り住む

 10年 材木座らくご会を発足

 

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