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【神奈川】

風魔忍者を体験するんじゃ 歴史見聞館が変身 来春、PR施設が見参

敵の映像と戦う小田原攻防ゾーンのイメージ図=小田原市提供

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 五代続いた戦国大名・小田原北条氏を支えた風魔忍者をPRする施設が来春、小田原城に登場する。歴史見聞館の展示内容を、耐震改修するのに合わせて一新。「風魔忍者の里」を前面に押し出す。博物館としての展示内容に娯楽性を加味した、全国的に珍しい施設にするという。 (西岡聖雄)

 小田原市が十二日に発表した。事業費は一億八千万円前後で木造平屋(四百八十平方メートル)の外観は残す。内部は「戦国シアター」「忍術体験」「小田原攻防」の三ゾーンに分かれ、三十〜四十分で巡る。

 来館者はまず、ガイダンス映像(三分前後)で北条氏や風魔忍者などを学び、小田原城を救う「忍務」の指令を受ける。その後、隠し扉などがあるからくり屋敷で忍術を体験。最後は、敵の忍者や武士が出てくる映像(三分前後)と戦う。

 忍務は、北条氏を滅ぼした豊臣秀吉の屋敷に忍び込み、情報収集することなどを想定。映像に英語の字幕を入れ、外国人も楽しめるようにする。

 北条家の忍者についての記載は、六千通近く残る北条関連文書で一通しかない。一族の北条氏邦の書状に「興国寺城(静岡県沼津市)方面に草(忍者)を遣わし」とあるだけだ。江戸時代に旧臣が書いた逸話集「北条五代記」には多くの記述があるものの、徳川幕府に仕えた伊賀や甲賀の忍者に比べ、北条滅亡とともに消えた風魔は謎が多く、市もアピールしにくかった。

 一方で、優秀な忍者の名を列挙した伊賀、甲賀流忍術の秘伝書「万川集海」は「真の忍者の達人は、忍術の深さ故にだれもその名を知らず、その功績をだれも知らない」と記す。文書や痕跡が少ない風魔は優れた忍者ともいえ、市や観光協会は「忍者らしい忍者」とPRする考えだ。

 昨年度の歴史見聞館の来館者は十一万五千人と天守閣の六分の一ほどで、風魔忍者施設への衣替えで集客力アップを狙う。小田原城天守閣の諏訪間順館長(58)は「領民の長寿と繁栄を目指した北条五代を陰で支えた風魔忍者に光を当て、多くの人に魅力を伝えたい」と話している。

 

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