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【神奈川】

109年前に発見された酵母で新酒 松田町の中沢酒造、あす発売

新酒を売り出す鍵和田さん(左)ら=小田原市で

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 創業193年の中沢酒造(松田町松田惣領)は10月1日、109年前に見つかった酵母を使った新酒「松みどり純米吟醸S.tokyo」を発売する。低迷する日本酒需要を高めるため、大学の研究室で眠っていた酵母から若者や女性にも飲みやすい日本酒を造った。 (西岡聖雄)

 一九〇九年に発見された酵母で、東京農大が研究保存していた。これまで日本酒製造に使われたことがない酵母という。同大卒で新たな日本酒を模索していた中沢酒造の十一代目、鍵和田亮(あきら)さん(32)が恩師の門倉利守・同大准教授に相談し、酵母を分けてもらった。

 この酵母を発見した故・中沢亮治農学博士の名字と社名が同じで、「0024」という菌株の番号も会社の電話番号の下4けたと一致。杜氏(とうじ)でもある鍵和田さんは「不思議な縁を感じた」と、二年前から商品化を進めてきた。

 通常の日本酒用酵母に比べてゆるやかに発酵するためアルコール度数が低く、糖分も多い。甘口の白ワインのような日本酒という。中沢さんは「若者や海外の人にも飲みやすい狙い通りの味」と話す。世界進出の願いを込め「トーキョー」を冠した銘柄とし、ワインボトルに多い黒色ブルゴーニュ型瓶に詰めた。二〇二〇年東京五輪後、創業以来初となる輸出を目指す。

 農林水産省によると、漸減する日本酒の出荷量は近年、五十万キロリットル台とかつての三分の一。半面、日本食ブームに乗り、昨年の輸出は二万三千五百キロリットル、百八十七億円で、ともに八年連続で過去最高を更新した。

 二〇一三年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に和食文化が登録後は日本酒人気に拍車がかかり、中沢酒造へも三年前から年百人以上の外国人が来店するようになった。

 中沢さんは「外国人来店客や都内での試飲会を通じ、さらに飲みやすさを追求したい」と意欲を燃やす。

 七百二十ミリリットル入り税込み二千二十円。今年は二千本限定。小田原市と横浜市、都内の酒販店で販売する。会社のホームページからも購入できる。問い合わせは中沢酒造=電0465(82)0024=へ。

 

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