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【神奈川】

改正入管難民法、きょうにも成立 受け入れ拡大 なぜ急ぐ

ブラジルなどの製品が並ぶサボールラティーノの店内=愛川町で

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 外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法の改正案が七日にも参院本会議で可決し、成立する。懸念を示す声が相次ぎながら、導入を急ぐ必要はあるのか。大規模工業団地があり、外国人の比率が県内の市町村で最も高い愛川町で、住民や企業経営者らに話を聞いた。 (曽田晋太郎)

 相模原、厚木両市に接する町東部の中津地区。南米系の料理店や雑貨店などが点在し、外国語表記の看板を出す理髪店やパチンコ店もある。

 食品と雑貨を販売する「サボールラティーノ」を経営する日系ブラジル人二世の橋爪オスカーさん(61)は、受け入れ拡大について「いいことだと思う」と前向きに捉えつつ、「給料がきちんと払われず仕事がなくなると、犯罪に手を染める可能性がある。国は方針をしっかり考えないといけない」と指摘した。

 十一月一日現在、町の人口四万五百八十一人のうち6・41%の二千六百二人が外国人。要因は、厚木市にまたがる「神奈川県内陸工業団地」の存在だ。一九六一年に造成が始まり、自動車関連の製造業や物流、倉庫業など百四十社が集積する。団地の協同組合によると、バブル景気下に人手不足を補うため外国人が増加した。

 町は小学校などに日本語指導学級を設け、役場には外国人相談員を常駐させている。その一人、日系ブラジル人二世の岩根美智枝さん(59)は、ごみの分別や騒音などでトラブルがあるとし、「日本の文化や日本語をしっかり学んだ上で来日しないと日常生活で苦労する」と説く。

 日本人の受け止めはどうか。中津地区で四十年以上、不動産業を営む萩原正光さん(81)は「あまり増えすぎても困る」と話す。かつて家賃を滞納して姿を消したブラジル人がいたという。

 一方、建設機械やトラックの部品製造などを手掛ける「大器機械」の川合章夫会長(72)は「外国人実習生は学力のレベルが高い。優秀な人材を確保するのに国籍は関係ない」と語る。従業員四十人のうち五人がインドネシアの技能実習生。人手不足や海外進出も見据えて十二、三年前から採用を始めた。

 受け入れ拡大についても理解を示しながら、「外国人をあっせんする団体の規制を進めるなど、きちんとルールを決めてからするべきだ。将来的には拡大が必要だとしても、国はなぜそんなに法案成立を急ぐのか」と訴えた。

 

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