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【神奈川】

横浜シルクスカーフ データベース化事業 「予算不足」で登録中途半端

市工業技術支援センターに保管されているスカーフ=横浜市金沢区で

写真

 高度成長期などに横浜市で製造・輸出された十一万点のシルクスカーフのデザインなどをデータベース(DB)化する市の事業の完成を、業界関係者が求めている。DBは、データの入力途中で予算がつかなくなり、中途半端な状態のまま。関係者は「横浜の歴史を物語る品物。できるだけ多く登録してほしい」と訴える。

 スカーフは一九五七〜八六年の製造。輸出の際に似たデザインがないか審査する「日本輸出スカーフ等製造工業組合」が三十五年ほど前に解散する際、保管していたサンプルを、製造年や業者名などを記した台帳四十五冊と共に市に寄贈した。

 六四年東京五輪の競技や、旧ソ連が五七年に打ち上げた世界初の人工衛星「スプートニク」を絵柄にしたものなどがあり、現在、市工業技術支援センター(金沢区)に保管されている。

 横浜のスカーフの歴史に詳しい関東学院大の山崎稔恵教授(服飾史)は「今でも通用するデザインもあり、史料価値は高い」と話す。特に、山崎教授が「第一期」と呼ぶ六七年までに作られた商品は著作権の保護期間(五十年)を過ぎており、公開しても支障は少ないという。

 市は二〇一三年度に三千万円かけてDB化に取り組み、台帳は全件、写真撮影したスカーフの画像は三万三千点入力した。ところが翌年度以降は予算が計上されず、DBは同センターで公開しているものの、完成のめどは立っていない。岡部伸雄センター長は「市の方針で、近年は伝統産業よりベンチャー企業支援に予算を割いている」と話す。

 市内のスカーフ製造業者でつくる「横浜繊維振興会」の松村俊幸会長は「横浜がスカーフの産地だったことを知る人が減っている。DBを完成させて市のPRに役立てるべきだ」と語った。 (志村彰太)

 

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