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【神奈川】

鎌倉の災害史知り減災目指す 歴史文化交流館、出土品など250点

関東大震災の被害を伝える写真=いずれも鎌倉市で

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 鎌倉の中世の災害と関東大震災(1923年)による爪痕を、出土品や被害状況の写真など約250点からたどる企画展「鎌倉 Disaster 災害と復興−土地に刻まれた痕跡」が、鎌倉市扇ガ谷1の鎌倉歴史文化交流館で開かれている。過去の災害を知ることで減災意識を高めてもらおうと、近年の発掘調査の成果も踏まえた内容にした。 (北爪三記)

 同館によると、「吾妻鏡」などの史書に記録が残る中世鎌倉の火災は百三十件以上あり、地震は大地震とみられる約十件を含め二百件ほどに上る。学芸員の浪川幹夫さん(59)は「当時、地震は激動期だった」と説く。

 市内の若宮大路周辺遺跡群では昨年度の発掘調査で、液状化を示す噴砂の跡が確認されたほか、木枠が傾いた井戸や溝が出土するなど十三〜十四世紀とみられる地震の痕跡が見つかった。源頼朝が建立し、室町時代に焼失した永福(ようふく)寺があった国指定史跡「永福寺跡」からは、火災の熱で変形した瓦や焼け焦げた道具なども出土している。

 関東大震災では、当時の鎌倉町は壊滅的な被害を受けた。町が三〇年にまとめた記録「鎌倉震災誌」によれば、全半壊三千四戸、津波による流失百十三戸、火災による全焼四百四十三戸で、死者は四百十二人。会場には倒壊した寺社や家屋、材木などのがれきが広がる光景、横須賀海軍航空隊が上空から撮影した被害状況などの写真が並ぶ。

 浪川さんは二〇一七年、町の記録に写真や経験談などを加えてまとめた「新編鎌倉震災志」を市の職員有志で出版している。「九十六年前の被害を知ってもらい、現代に置き換えて、いざという時のことを考えてもらえたら。地盤や液状化の状況にも注目してほしい」と話した。

 企画展は五月十八日までで日曜・祝日休館。観覧料は一般三百円、小中学生百円。問い合わせは同館=電0467(73)8501=へ。

     ◇

 災害への備えを考えるきっかけにしてもらおうと、市は「防災のつどい」を一月二十一日午後二時から、市福祉センター(御成町)で開く。入場無料。

 甚大な被害を出した昨夏の西日本豪雨を踏まえ、国土交通省国土技術政策総合研究所の山口真司・土砂災害研究部長が「土砂災害に遭わないために」と題して講演する。

 定員は当日先着百五十人。手話通訳、要約筆記あり。問い合わせは市総合防災課=電0467(23)3000内線2615=へ。

永福寺跡から出土した瓦

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