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【健康】

睡眠障害 生活習慣病と密接な悪循環

2009年7月3日

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 忙しい現代人は、慢性的な睡眠不足や不眠も軽く考えてしまいがちだ。しかし、睡眠障害は集中力の低下などを招くだけでなく、生活習慣病とも密接な関係を持っている。放置せずに、心地よい眠りを得る努力をしていきたい。睡眠障害の研究で知られる田ケ谷浩邦・北里大医療衛生学部教授に聞いた。 (安藤明夫)

 「睡眠不足や不眠があると、糖尿病、高血圧、メタボリック症候群などを悪化させたり、誘発することがあります。逆に、こうした病気の症状や治療薬によって、不眠が引き起こされることも多い。悪循環をどこかで断つ必要がある」と田ケ谷教授は話す。

 健康な人でも、睡眠不足の状態では、糖尿病と同様にインスリンの働きが弱まり、血糖値が下がりにくくなることが、米国の研究などで分かってきている。

 日本大医学部の兼坂佳孝准教授が、糖尿病と密接な関係のあるHbA1c(ヘモグロビンとブドウ糖の結合体の一つ)や空腹時血糖の高い人と、睡眠時間の関係を調べた研究でも、睡眠時間六時間未満の群と八時間超の群で割合が高く、寝不足や寝すぎが血糖値に影響を与えることが示唆された=グラフ。

 糖尿病の患者の中には不眠を訴える人が多く、頻尿、痛み、肝臓疾患などがその原因となるほか、血糖コントロールの乱れ自体が不眠につながると考えられるようになってきた。

 血圧も、睡眠不足だと上がる。米国の疫学調査では睡眠時間が五時間以下の群では、高血圧が全体平均の一・六倍に達した。一方で、治療薬が不眠を誘発するケースもあり、高血圧の人の中での不眠の割合は全体平均の二倍だった。

 食欲との関係も深い。睡眠不足だと食欲を抑制するレプチンというペプチドが低下。逆に、食欲を高めるレニンが増加し、特に炭水化物がほしくなる。七万人を対象にした米国の大規模追跡調査でも、睡眠時間が長い人ほど体重の増加が少ないことが確かめられている。

 寝ている間に気道がふさがり、熟睡できなくなる睡眠時無呼吸症候群も、肥満との関係が深い睡眠障害だ。

 「休日は二時間ぐらい余分に寝ないと体が持たない、という状態になったら、慢性的な睡眠不足だと考えてほしい」と田ケ谷教授。

 寝付きをよくするには、寝る前に心と体を刺激しないことが大切で▽激しい運動をしたり、熱いおふろに入ったりしない▽DVDやインターネットなど、頭が興奮状態になるものも避ける▽酒、コーヒー、たばこを避ける−といった配慮で状態が良くなることも多い。

 酒は、寝付きを良くする面もあるが、二、三時間の睡眠で覚せい作用が起こりやすく、全体として睡眠の質を悪化させる。また長期間飲むと効き目が落ち、酒量が増える恐れもあるため、寝酒の習慣は断つ方がいい。

 治療の中心は睡眠薬だ。現在の睡眠薬は副作用も少なく、使い続けて効果が落ちることもない。

 「睡眠障害を自覚したら、かかりつけ医に相談してほしい。睡眠薬を処方されたら、強い眠気などの副作用がない限り、きちんと飲み続けることが大事。睡眠薬への誤解はまだ根強くて、勝手にやめたり、なるべく使わないようにする患者さんも多くて、治療がうまく進まない場合もある」とアドバイスする。

 

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