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【暮らし】

<組み体操 事故なくせ> 義家文科副大臣に聞く

組み体操に対する規制について話す義家弘介・文部科学副大臣=東京・霞が関の同省で

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 全国的に事故が多発している組み体操について、文部科学省の義家弘介副大臣が本紙の取材に応じた。高さの目安を示した愛知県や有識者会議を設置した東京都など、各地の教育委員会が安全対策を講じる中で、文科省としては独自調査や規制はしないとの姿勢を示した。 (細川暁子)

 組み体操は年間八千五百件以上の事故が起きているが、文科省は実態調査をしないのか。

 事故件数は、日本スポーツ振興センター(JSC)のデータで、今年初めて把握した。JSCは学校管理下の事故のために存在していて、そこから文科省に情報が上がってくる。危ないのは組み体操だけではない。何件だから危ない、と線引きすることには慎重な対応が必要。

 大阪府八尾市の中学校では十段ピラミッドが崩壊し、ネットで動画が流れた。どう感じたか。

 この中学校では過去三年間に毎年複数の生徒が骨折していた。それでも続けていたのは安全配慮を欠いていたと思う。私なら運用を見直す。たとえ生徒が巨大な組み体操をやりたいと言っても度が過ぎたものを抑止し、ならぬものはならぬと言うのが教育だ。

 千葉県松戸市の小学校では、男児が組み体操の最上段から落下して頭蓋骨骨折し、一命を取り留めた。事故を知っているか。

 初めて聞いた。最低三メートルはある三段タワーは結構な高さで、危険性は存在する。仲のいい子、体力がある子同士で組み、余った生徒たちがペアを組まされることがあり得る。最上段にはバランス感覚がいい人間が上がらないといけない。教員配置も含めて対策を取るべきだったのだろう。

 大阪市教委、愛知県教委など高さ制限や目安を示す自治体も出てきた。

 事故が起こって問題になったからと上から目線でずばっと何段と切るのは、指導上は不幸なこと。教育委員会の規制ありきではなく、学校の教育活動の正常化が大切。「学校の指導にむちゃがあったのではないか」「伝統を守れという地域のプレッシャーがあったのではないか」など学校で話し合い、現場で判断すべきだ。

 文科省が組み体操を規制する考えはないのか。

 事故が起きているのは組み体操だけでない。柔道、剣道などあらゆるところに規制を出さなければいけなくなり不健全だ。文科省ができるのは指導および助言だけ。あとは教育委員会がそれぞれの判断で行う。それが教育の地方分権。マスコミが報道し、国会で質問されたから、「二段、三段にしましょう」と文科省が言うのであれば極めて不思議だ。

 副大臣は組み体操をした経験はあるか。

 自分も小中学校で行ったし、小六の息子も去年やった。五〜六段の組み体操で、息子は負荷がかかる位置にいて背中の筋を壊したが、誇らしげだった。全校生徒が羨望(せんぼう)のまなざしで見る中で、「ここまで大きくなった、見事だ」と私自身がうるうるきた。組み体操はかけがえのない教育活動で、悪いことではない。それを文科省が規制するのは違う。

<都は安全対策委設置>

 東京都教委は有識者や小中高校の校長、PTA役員らによる組み体操の安全対策検討委員会を設置。3月までに計3回開き、各種目の危険性を明らかにして区市町村教委に対策を促す。都教委の担当者は「教員間で組み体操の危険性についての共通理解がはかられていない状況のため、都教委の考えを示す必要があると判断した」と話す。

<愛知「3段まで」通知>

 組み体操をめぐっては、愛知県教委は各市町村教委に対し三角形に積み上がるピラミッドは5段、肩を組んだ人の上に立つタワーは3段を上限とするよう求める通知を出した。県内の小中学校では昨年までの3年間に約400人が骨折など重傷を負っていたことが判明。県教委は事故が多いことを重く見て通知を出したが、個別の種目で指導上の目安を示すのは異例という。

 

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