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【暮らし】

殺処分から救え! 保護猫カフェ 「飼いたい人」と橋渡し 広がる輪

愛知県江南市の保護猫カフェで猫と遊ぶ来店客

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 世は猫ブーム。その陰で何万匹もの猫が殺処分されている現実を変えようと、全国で保護活動が広がっている。野良だった猫を保護して、飼い主を探す保護猫カフェが各地でオープン。猫を飼いたい人とつなげる運動が広がり、殺処分ゼロを達成した自治体もある。 (寺西雅広)

 「かわいい」「こっち来て」。白、黒、茶色の猫たちが動くたび、女性客が目を細めた。四月にオープンした保護猫カフェ「ネコリパブリック愛知江南店」(愛知県江南市)。約百平方メートルの広い店内を、二十匹が気ままに歩いたり、寝ころんだり。いずれも飼い主がおらず、動物保護団体が保護した猫だ。

 店内は猫スペースとカフェスペースに分けられ、紅茶やベーグルを味わいながら猫とじゃれ合ったり、ガラス越しに遠くから見守ったりすることができる。主な運営費は、三十分千百円(飲み物代込み)の入場料やカフェの売り上げ。客は気に入った猫がいれば引き取れる。

 東京や大阪などに四店舗あるネコリパブリックチェーンを始めた河瀬麻花(あさか)さん(41)は「猫と遊ぶも良し、店内でお茶するだけでも猫助けにつながります」と話す。

 猫好きの河瀬さんが保護活動を始めたきっかけは二〇一一年の東日本大震災。東京電力福島第一原発近くに取り残された猫を助けるレスキュー隊を支援しようと、地元の岐阜県大垣市で経営していたベーグル通販店の商品に、寄付金を上乗せして販売した。次第に動物保護団体の活動を手伝うようになり、成長した猫の引き取り手が少ない現状を知って、飼いたい人と猫をつなぐカフェを始めた。

 同チェーンは、新たな野良猫を出さないため、引き取り希望者に対し▽離婚した場合は誰が引き取るか▽子どもが猫アレルギーだったらどうするか−など、一生飼い続けられるかを面談で確認してから譲渡する。これまでに飼い主が見つかった猫は約二百二十匹になった。

 猫カフェ協会(東京)によると、保護猫カフェは年々増えており、全国に約八十店。〇八年に保護猫カフェを全国で先駆けて始めたNPO法人「東京キャットガーディアン」は毎月、保護猫カフェ運営セミナーを開催しており、多いときには出店希望者が約五十人集まるという。

 もともと猫を引き取っていた人や団体が始めることが多いが、山本葉子代表は「開店の初期費用はそれほどかからず、参入はしやすいが、経営を続けるのは難しい」と指摘。河瀬さんも「ボランティアも無償では続かない」と話す。

 同チェーンの場合は、引き取り手から避妊去勢手術代やワクチンの費用として二万円を支払ってもらい、うち五千円を動物保護団体に寄付する。「ビジネスと猫助けを並行させるモデルになれば」

 河瀬さんの目標は、全国で一四年度に八万匹だった猫の殺処分数を、二(にゃん)がそろう二〇二二年二月二十二日までにゼロにすること。「小さな命を大事にする輪を広げたい」と話す。

◆「ゼロ」神奈川で達成

 神奈川県は2014年度に、猫の殺処分がゼロになった(横浜、川崎など5市を除く)。避妊去勢手術の奨励で、飼い主が分からない猫が減少。室内飼いが増えたこともあり、14年度に県動物保護センターに保護された猫は、30年前の20分の1の595匹に減った。

 その猫を、40以上のボランティア団体や個人が積極的に引き取ったほか、県などが譲渡会を開催。センター担当者は「収容数と引き取り手とのバランスが取れた結果」と話す。

 

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