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【暮らし】

片付けて安全に暮らす 「転ばぬ先の『老前整理』」著者・坂岡洋子さんに聞く

アルバムの整理方法や服の処分の仕方などを本で紹介した坂岡洋子さん=大阪市中央区で

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 今年もものを減らせなかった−。大掃除の時季、そう思っている人は多いのでは? 片付けが必要な理由と、具体的な進め方を紹介した新刊「転ばぬ先の『老前整理』捨てる? 捨てない? もう迷わない!」が、二十日に発売される。本紙で昨秋まで続いた人気連載「坂岡洋子の1、2の老前整理」をまとめて大幅に加筆した。著者の坂岡洋子さん(59)に、本に込めた思いを聞いた。 (竹上順子)

 「老前整理」とは、老後を迎える前に、ものを減らしたり片付けたりして、安全で暮らしやすく家の中を整えること。この先どのような生活を送りたいかを考慮することが大切だ。

 坂岡さんは「やらなければと思って、五年や十年たつ人も多いけれど、今からでも遅くありません。諦めないで」と励ます。

 坂岡さんによると、整理に取りかかれないのは「自分は年を取ってもしっかりできる」や「うちは散らかっていないから大丈夫」という意識(正常性バイアス)が働いているため。

 これは人間が心の平静を保つための心理的反応の一つで、災害発生時に「避難しなくても大丈夫」と思うことと同じだ。実際には家の中が散らかっていて転んでけがをするかもしれないのに、その危険性を認められない人が少なくない。

 ただ「自分の親の家を片付けた大変さから、老前整理の必要性に気付く人が多い」と坂岡さん。家の中の写真を撮ることも、“他人の目”で見ることと似て問題点に気付きやすいという。「こうした納得感が、片付けを始めたり続けたりする力になります」

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 本書では、読み手に自分の状態を客観視してもらおうと、実例を数多く紹介した。いずれも坂岡さんが、通信講座の添削や研修、講演などを通じて知り得たという。気付きを促すためのチェック項目もある。

 片付けをする気になったら、すぐに取りかかれる工夫も。「大きな家具を捨てたくても動かせないときは、地域のシルバー人材センターに相談を」「古い電気製品の処分は、それを買った店か、新しい商品を買い替える店に問い合わせを」など、具体的に説明した。

 一方、無許可の不用品回収業者による高額請求や、貴金属を無理やり買い取る「押し買い」、整理がきちんとされていなかったことによる遺産相続のもめ事など、起こりやすいトラブルも紹介。さまざまなケースの「表と裏」を伝えるよう心がけた。

 片付けは、みんなが悩んでいることだという。できていないのは自分だけじゃないと勇気を奮い立たせると同時に、「お隣のおばあちゃんも困っているかもしれないと、少し気にかけてあげて」と坂岡さん。ごみをため込む人は、SOSが出せない人かもしれない。「片付けをきっかけに、地域のつながりや助け合いが生まれるといいですね」

      ◇

 「転ばぬ先の『老前整理』」(東京新聞=中日新聞東京本社刊)は四六判二百五ページ、千四百四円。書店のほか、新聞販売店でも注文できる。

 

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