東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし > 暮らし一覧 > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【暮らし】

魅力薄れる学資保険 超低金利で貯蓄性低下

写真

 子どもが生まれたとき、大学進学時の教育費を用意するため学資保険の加入を検討するのは、ごく一般的だった。しかし、超低金利が続く中、貯蓄性の強い商品としての魅力が薄れ、一部の商品には販売停止の動きもある。消費者は今、学資保険をどう考えればいいのだろうか。 (白井康彦)

 「生命保険の代理店が顧客にお勧めできる学資保険の商品はなくなってきた」。代理店業務も行っている名古屋市のファイナンシャルプランナー(FP)はこう説明し、「これからは積立預金など別の金融商品で大学の学費を用意することも考えてみるべきでしょう」と強調する。

 学資保険は子が被保険者、親が契約者になって、子が大学に入学する時期に満期保険金を受け取るのが基本的な仕組み。通常は、親が死亡した場合は、その後の保険料は払わなくてよくなる。近年は保険金を一括で受け取るのではなく、分割で受け取るタイプの商品が目立つ。

 学資保険の貯蓄性の高さを示してきたのが、保険金の受取総額を払い込んだ保険料の総額で割って百を掛けた「返戻率」。学資保険の商品のタイプや加入時期などの条件によってさまざまだが、かつては110%を超える商品が多かった。

 ところが、日本銀行が国債などの金利をゼロ近辺に抑え込む政策を続けているため、状況が変わった。生命保険会社は集めた保険料を国債や株式などで運用するが、超低金利なので運用利回りが低くならざるを得ない。そのため、返戻率が100%を割り込む学資保険が目立ち、保険料が改定される年度が変わる四月以降はさらに増える。

 ただ、一部の生命保険会社は100%より高い返戻率を頑張って維持する。110%を超す商品もあるソニー生命保険は返戻率を変えない方針。日本生命保険や明治安田生命保険は返戻率110%以上の商品について四月以降も約104%の水準を維持する。富国生命保険は、保険料払い込みが十一歳や十四歳と早く終わる商品を四月から販売。十一歳の場合の返戻率は104・7%になる(図参照)。

 ただ、返戻率の高いこうした学資保険は『入り口商品』との位置付けになっているとの指摘があり、「学資保険に入ってもらった世帯に他の商品を勧める狙いがある」とFPらは解説する。消費者側は余分な保険に入らないなどの注意が必要だ。

◆手堅くためるには有力

 消費者がどう対応すべきかFPの意見は分かれる。「積立預金でこつこつ大学の学費を用意する」という声もあれば、「これを機会に投資信託など値動きのある金融商品を始めてみるといい」といった意見もある。ただ、どの方法にも一長一短がある。

 預金にすれば、将来、預金金利が2%以上などと高くなったときに有利になる。ただ、エコノミストの間では「超低金利はかなり長く続く」という見方が有力だ。投資信託や株式などは、損失リスクを嫌う人は手を出しにくい。

 東京のFP、畠中雅子さんは「大学の学費を手堅くこつこつと用意するには今後も学資保険が有力な選択肢」と強調。「学資保険と児童手当で三百万〜四百万円用意すれば、奨学金を利用しなくてすむ可能性が高くなる」とアドバイスする。

 世帯収入、投資経験などは人それぞれ。結局は、自分の家庭の状況を踏まえ、学資保険も選択肢に残して検討するのがいいようだ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】

PR情報



ピックアップ
Recommended by