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【暮らし】

<比呂美の万事OK>「自分は自分」でいいじゃん 詩人・伊藤さんの人生相談 4月から

参加者から寄せられた悩みに答える伊藤比呂美さん

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 詩人の伊藤比呂美さん(61)は、実は人生相談の達人でもある。九州地方のブロック紙「西日本新聞」紙上で二十年近く、老若男女の悩みに答え続けてきた。その場で参加者の相談に応じるイベントも、各地で開催。横浜市戸塚区の男女共同参画センター横浜で、十八日に開かれた「人生相談ライブ! 万事OK」の模様をお届けする。 (竹上順子)

 ふわふわのパーマヘアをなびかせ、笑顔で現れた伊藤さん。軽やかな足取りで舞台上を歩きながら、二十年ほど前から米カリフォルニア州に住んでいること、今は亡き両親の介護で熊本と米国を行き来したこと、昨年夫を亡くしたことなどを話した。

 そして即興の「人生相談」がスタート。四十代女性の「出会いがありません。付き合う男性はひどい人ばかり」との悩みには「自分に原因はない。全部相手が悪い。これがわれわれの生き方です」ときっぱり。会場が笑い声に包まれる中、自身の「目の前の相談者に真摯(しんし)に向き合う」回答スタイルを説明した上で、「いい人に巡り合うまで、狩人として本能のままに探して」「人との関係で大切なことは、相手の話を聞くこと。これで結構、解決するんです」などと話した。

 育児に追われる三十代の女性は「小さなことでイライラする」と相談。伊藤さんは「がさつ、ずぼら、ぐうたら。子育てする人は、これを頭に入れて」とアドバイス。さらに、子どもが泣いたり、ごねたりしたときは「顔に『うっとうしいな』との思いが表れても、体では子どもをぎゅっと抱き締めて。三回に二回は、だませるから」と言って参加者を笑わせた。

 一方で「母親とは恐ろしいもの。子どもをコントロールできる、しなければ、と思ってしまう」と親にもやんわり、くぎを刺した。続けて「自分を母親だと思わないで。野生動物保護センターの所長です。子どもという野生動物を育てて森に返してやることが、私たちの役目」と話した。

 会場から寄せられた相談の多くは、日本の「枠の中で生きる」社会の息苦しさに起因するもの。伊藤さんは、個々の違いを尊重する米国で、自身が「すごく楽になった」経験を披露。「私は私」と言うことの大切さや、それが他者を理解し、受け入れるための手段でもあることを、丁寧に説明した。

 そして「子どもを授かれなかった」と悔やむ女性には、多様な生き方が認められる社会の大切さを説いた上で「あなたのような存在が、どれだけ社会を豊かにしていることか」。四十代の娘が独身だと心配する六十代の母親には「あなたがするべきことは、彼女の生き方を全部『いいじゃん』と言ってやること」と語りかけた。

 この日、伊藤さんは十五人以上の相談に当意即妙の回答をし、ライブを終えた。企画した男女共同参画センター横浜の金涼子さん(38)は「女性の生き方をサポートするセンターの役割と、通じるものがあった」。神奈川県藤沢市から来た女性(70)は「特に心に残ったのは『自分は自分でいい』『親を捨てる』という言葉。自分で判断すればいいんだと励まされました」と笑顔で話した。

◆あて先はこちら

 伊藤比呂美さんの西日本新聞での人生相談「比呂美の万事OK」が、4月4日から東京新聞でも始まります。第1、3、5火曜日に掲載します。

 相談は、名前と年齢、性別、連絡先を明記し、郵送の場合は〒100 8525 東京新聞生活部へ。メール=seikatut@tokyo-np.co.jp=やファクス=03(3595)6931=でも受け付けます。掲載にあたっては、個人が特定されないよう配慮します。

 

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