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【暮らし】

老齢年金の受給資格10年に 該当者は早めに手続きを

公的年金の受給資格期間の短縮で新たに受給者になる人に順次送られている日本年金機構の「黄色い封筒」=一部画像処理

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 公的年金の老齢年金の受給に必要な納付期間(免除期間などを含む受給資格期間)が今年八月、二十五年から十年に短縮される。これまでは受給できなかった人でも、納付期間が十年以上であれば受給者に変わるのだから、当事者の喜びは大きい。日本年金機構(本部・東京都)は、新たに受給資格を得る約七十四万人に順次、通知の文書を送っている。受け取った人は通知を無視せず、早めに手続きをするのが賢明だ。 (白井康彦)

 会社員や公務員は公的年金の保険料が給料から天引きされるが、自営業者などは国民年金の保険料を自分で納めなければならない。保険料を納めなかった期間が長ければ、年金は受け取れない。

 中部地方に住む自営業男性のAさん(77)は「未納期間が長いので年金はもうあきらめていた」と打ち明ける。衣料品店を営んでいた時期は従業員を六人雇い、厚生年金に加入していたが、経営不振で破産に追い込まれた。その後は個人事業主として細々と事業を続けている。

 そんなAさんのもとに三月、年金機構から黄色の封筒に入った通知の文書が届いた。封筒の表面の右上に、「短縮」の赤い文字が四角で囲われて記されていた。

 Aさんは四月上旬、地元の年金事務所を訪問。問い合わせたところ、受給資格期間は約十五年で、新制度では、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせ年額約三十一万円を受給できることが分かった。手続きをほぼ済ませ、今年十月には銀行口座に初めて老齢年金が振り込まれる見通しだ。「これまで年金がなかったため、ほとんど働きづめだった。これからは年金がもらえるので、一年のうち一カ月は休めると考えます」

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◆「カラ期間」なども調べて

 受給資格期間の短縮で、年金を受給できるようになったとしても、最も短い十年では、老齢基礎年金は年二十万円にも満たない。

 それでも老齢年金がもらえるメリットは大きい。名古屋市の社会保険労務士、木村省吾さん(50)は「年金機構から黄色の封筒が届いた人は一部の例外を除けば、制度改正で年金がもらえるようになる人。早めに年金事務所に行った方がいい」とアドバイスする。今後、手続きに訪れる人で年金事務所が混雑する可能性もあるからだ。

 資格期間が十年以上あるかどうか、自分で考えてみるときは、「合算対象期間(カラ期間)」も考慮しなければならない。過去に国民年金に任意加入せず年金額の算定には反映されないものの資格期間には含められる期間だ。「一九八六年三月以前に会社員の配偶者だった期間」「九一年三月以前に学生だった期間」などが該当する。

 また、病気などやむを得ない事情で保険料が払えず、納付の免除を受けた期間も資格期間に含められる。

 資格期間が十年に満たないまま六十歳を迎える人も、年金を受給できる可能性が生じる。最長七十歳まで国民年金に任意加入して保険料を納める制度があるからだ。木村さんは「資格期間が短い人でも、年金がもらえる道がないか、年金事務所や社労士に相談したりして検討することが大切」と解説する。

 

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