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【暮らし】

<リカちゃんと50年 私のパパ・ママ>(上) 「仕事一筋」が今はイクメン

三つ子をお風呂に入れるパパ(c)TOMY

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 来月、発売から50年となる日本生まれの着せ替え人形「リカちゃん」。人形で遊ぶ女の子の憧れを反映してきたのはもちろん、日本社会の変化も敏感に映し出してきた。それは、リカちゃんの両親も同様。リカちゃん一家から見える日本のパパ、ママ像の変化とは。まずは、パパ「香山ピエール」に迫ってみよう。

 リカちゃんが生まれたのは、高度成長期の真っただ中の一九六七(昭和四十二)年。家族よりも仕事が大事な「モーレツ社員」が大手を振って歩いていた時代だ。フランス人で三十六歳のピエールも、家庭を顧みることなく仕事に猛進していた。世界的に有名な指揮者で、「世界中を飛び回っている」「行方不明」という設定。「織江」ママの人形が六九年に発売されたのに対し、ピエールは長らく忘れられた存在だった。

 リカちゃんを研究する日本女子大名誉教授の増淵宗一さん(77)は「当時は、パパがいなくても『幸せ家族』と言うことに違和感がなかった。人形遊びにも、パパは必要なかったのでしょう」と分析する。

 ピエールの転機は平成の時代となった八九年。ついに店頭に人形が並んだ。背景にはやはり、社会の変化があった。週休二日制が広まり、父親が家にいるのが珍しくなくなっていた。増淵さんは「働くことが優先された昭和から、生活重視の平成になった変化が表れている」と指摘する。

 そして、ピエールは一歳の三つ子をお風呂に入れたり、料理をしたりと、イクメンに目覚めていく。人形も肩の可動域が大きくなり、自然な姿で赤ちゃんを抱っこできるようになった。二〇一四年には、厚生労働省が後援する「イクメンオブザイヤー」のキャラクター部門を受賞。厚労省の調査で、一四年度の男性の育休取得率が2・30%と低迷する中、受賞を機に一年間の育児休業を宣言した。

 タカラトミーの栗原祥太・リカちゃん企画部長(38)は、ピエールの変遷について「リカちゃん家族に時代を反映させられるよう、アンテナを高くしています」と明かす。

 翻って、働き方改革の緒に就いたばかりの日本。男性の育休取得率は一六年度に3・16%(速報値)で過去最高を更新したが、国が掲げる「二〇年度までに13%」は雲の上だ。そんな中、家族に愛情を注ぐピエールは、女の子から見た理想のパパにとどまらず、もっと家族と過ごしたいと願うパパたちの憧れでもある。

 (この連載は稲熊美樹、添田隆典、寺本康弘が担当します)

 <fromリカちゃん> ボンジュール(こんにちは)! 音楽家のパパは、この前は来日したパリ管弦楽団のコンサートに連れて行ってくれました♪ 一緒にお買い物へ行ったり、おいしい料理を作ってくれたり、宿題もみてくれるよ。パパが生まれたフランスには大好きなおじいちゃんとおばあちゃんがいるの。だからリカの初めての一人旅はフランスを選びました!(タカラトミー監修)

 

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