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【暮らし】

<清水孝幸の続50代の地域デビュー> (12)サルサに夢中

イラスト・佐藤まさーき

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 最近、はまっているものがある。ラテンダンスのサルサだ。サルサは中南米のラテン音楽に合わせて男女がペアで踊る。

 ダンスは盆踊り以外、やったことも習ったこともなかった。地元の築地社会教育会館(東京都中央区)で活動しているサークル「大江戸サルサ」に体験入会したら、思った以上に楽しく、通い始めた。毎週土曜の午後を中心に練習している。

 メンバー同士の連絡方法がユニークだ。中高年向けの会員制交流サイト(SNS)「趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)」で練習日程や出欠を伝える。本名でなく、ハンドルネーム(ネット上の名前)で登録。レッスンでもハンドルネームで呼び合う。

 ちなみに、私は「こーひん」と名乗っている。パンダが好きで、和歌山県の「アドベンチャーワールド」まで行き、バックヤードで餌をあげた。そのパンダが「幸浜」(オス、その後、中国へ)。私の名前の「孝幸」と同じ字もある。

 サルサは本来、クラブなどで自由に踊るものだが、基本のステップや技を知らないと、踊れないらしい。レッスンでは、基本的なステップや技を組み合わせた踊りのパターンを習いながら、少しずつ難しい技を覚えていく。

 「イチ・ニー・サン、ゴー・ロク・シチ」。毎回、最初の一時間は、サークルの代表で、エネルギッシュな女性の玲耶(れいや)さんの掛け声に合わせて、基本ステップやリズムの取り方を反復練習する。

 その後、ケン先生が登場し技やテクニックを習い、踊りのパターンをレッスンしていく。ケン先生は全日本ダンス協会連合会の理事で、紳士的。初心者にも分かりやすいように丁寧に教えてくれる。

 それでも、ダンス未経験の私には素早くステップやターンをしながら、手で女性をリードするのは難しい。音楽に合わせてとなると、もう頭の中はパニック状態。すると、玲耶さんから「こーひんさん、足が違う」と声が飛んでくる。学校の部活のようだ。

 女性と向かい合って踊るのは恥ずかしいと思ったが、やってみると、踊るのに精いっぱいで、そう感じる余裕もない。男性がリードするものなのに、逆に私がリードされている。そんな私にも女性のメンバーは嫌な顔をせず、親切にアドバイスしてくれる。

 男性のメンバーも明るい。いろいろな趣味の講座に出てきたが、男性はいつも少数派で、おとなしい。でも、ここは男性が多く、しかも陽気だ。また一つ、楽しい「居場所」と仲間ができた。

 私には夢がある。定年退職したら、二泊三日でもいいから船旅をすることだ。船旅といえば、ダンスパーティー。そこで妻をリードできるようになるのが目標。まずは、とにかく練習だと、家で朝から一人で踊っていると、妻は「気持ち悪いね」。

 ※記者(55)が地域に溶け込もうとする奮闘記。第一・三土曜日に掲載。

 

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