東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし > 暮らし一覧 > 7月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【暮らし】

熱中症は水分補給で予防 気温に加え湿度も要注意

写真

 本格的な夏が来ると、心配なのが熱中症。日本気象協会によると、関東甲信越と東海、北陸地方の今年の気温は7月が平年並み、8月は平年より高くなると予想され、例年にも増して対策は欠かせない。インターネット上でも、活動場所や年代など個人の状態に応じ、熱中症の危険度や対策を教えてくれるサービスが始まった。 (竹上順子)

 熱中症は、暑さなどで体温が上昇し、体内の水分と塩分のバランスが崩れたり、体の調節機能が働かなくなったりして起きる障害の総称。症状は目まいや頭痛、嘔吐(おうと)、意識障害などで、死に至ることもある。気温や湿度などの「環境」、高齢だったり持病があったりという「体」、激しい運動など「行動」の三つの要因によって起こる。

 死者数は年によって大きく違う。厚生労働省によると、熱中症による死亡者数は、酷暑だった二〇一三年が千七十七人。一六年は五百七十九人(六〜九月の概数)だった。

 「八月の暑さが、亡くなる人の数を左右しているように感じられる」と、帝京大医学部付属病院救命救急センター長の三宅康史教授は話す。ただ三宅教授らが一〇〜一四年の六〜九月のレセプト(診療報酬明細書)を調べたところ、熱中症による医療機関の受診症例のうち、入院や死亡の重症例は減少傾向になっていることが分かった。

 例えば一〇年の死亡率が0・2%だったのに対し、一四年は0・12%。同じく入院率は10%から7・6%になった。「国やマスコミの情報発信が功を奏し、熱中症対策が進んだためだろう」と三宅教授。つまり、対策を講じていれば、熱中症は予防でき、重症化を防げるということだ。

 ただし高齢者は体内の水分量が少なく、発汗機能も低下しているのに暑さを感じにくいため、特に注意が必要だ。持病がある人や、一人暮らしでエアコンを使わない人も多い。

 三宅教授は「離れて暮らす子や孫は暑くなる前にお年寄りの家に行き、こたつを片付けたり、エアコンや扇風機がきちんと動くかチェックしたりしてほしい」と言う。電話の近くに温湿度計を置き、毎日電話をして数値を見るよう促し、高ければ「暑いと感じなくてもエアコンをつけて」と呼び掛けるよう勧める。

 若い世代は運動中や仕事中の発症が多い。三宅教授は「筋肉運動時は、気温が高くなくても湿度が高いと熱中症になりやすい」と注意を促す。気温や湿度をチェックし、休憩をとり、塩分の含まれたスポーツドリンクを飲むなどして予防したい。

 一方、あまり汗をかかない人は、塩分は普段の食事で十分。食欲がないときは水分も塩分も不足する恐れがあり、経口補水液やスポーツドリンクを飲むといい。喉が渇いていなくても、こまめな水分補給を心がけよう。応急処置は▽水分補給▽冷却▽安静−で、意識がない場合は、先に救急車を呼んでおく。キーワード「FIRE」と覚えよう。

写真

◆気象協会 危険度知らせるHP

 日本気象協会は、熱中症の危険度を知らせるホームページ(HP)上のサービス「熱中症セルフチェック」を始めた。年代や活動内容、今いる場所という個人の状態に応じ、危険度を4段階で示す。水分を取る頻度と量、休憩の取り方も知らせてくれる。

 名古屋工業大などとの共同研究で開発した熱中症になる危険性を予測できる手法と、直近の気象データを活用。プロジェクトリーダーの矢崎菜名子さんは「子どものサッカーのコーチや、お年寄りを世話する介護職員の方などには、子どもたちやお年寄りの安全のためにも活用してほしい」と提案する。

 今年は8月が平年より暑いと予想され、気象予報士の沢口麻理さんは「8月の酷暑と、体が暑さに慣れていない梅雨明けは、特に気をつけてください」と話した。

 「熱中症セルフチェック」は専用HPで使える(「熱中症セルフチェック」で検索)。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】

PR情報



ピックアップ
Recommended by