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【暮らし】

5年超えたら無期契約 契約社員・パート・アルバイトなど

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 アルバイトやパートなど有期契約の労働者が会社に申し込むと、無期雇用となる「無期転換ルール」。対象は五年を超えて働く契約をした労働者で、制度導入から満五年となる来年四月以降、多くの有期労働者が正社員と同様、定年まで働けるようになる。しかし使用者側に説明義務がないため、制度を知らない労働者が多い。また五年を前に使用者側から契約更新を拒まれる「雇い止め」を心配する声もある。 (寺本康弘)

 有期労働者は働く期間を決めた上で契約を結んでいる。ただ雇用期間が半年や一年など短いことが多く、不安定な働き方だ。

 無期転換ルールは雇用の安定などを目的に、二〇一三年施行の改正労働契約法で導入。一三年四月以降、通算五年を超える労働契約を結んだ段階で申し込める。図のように、一三年四月から一年契約を切れ目なく更新していれば、来年四月の契約更新時に申し込み権が発生する。申し込みを使用者側は拒めない。

 現在の労働市場は人手不足が続く。そんな中、人材確保のため、制度を先取りして導入した企業もある。

 「年を重ねても働き続けられる安心感があります」

 東都生活協同組合(東京都世田谷区)の人事・労務政策部で働く伊東久美子さん(48)は今年二月、一年更新の有期雇用から無期になった。

 無期になっても正規職員ではなく、時給制のまま賃金も変わらない。だが「年配になって雇い止めの状況に陥るといった不安が減った」と歓迎する。

 というのも、毎年二月の契約更新では、「業績によって更新しない可能性」という文言が契約書にあったからだ。有期労働者の立場の弱さを感じたという。

 東都生協が無期転換ルールを導入したのは一四年三月から。その時点で五年働いていた従業員が対象。約三百二十人すべてが無期に転換したという。無期は正社員の定年である六十歳まで更新なく働ける。

 有期労働者にとって無期転換はメリットも多い。しかし都が一五年に実施した調査では、都内で働く契約社員の六割が制度を知らないと回答。会社に説明義務はなく、権利を知らないまま置き去りにされる労働者がいる懸念がある。

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 無期転換ルールに詳しい梅田和尊(かずたか)弁護士は「直前の雇い止めや、無期転換後の待遇などに注意してほしい」と指摘する。

 無期転換を申請できる通算五年を超える契約を結ぶ直前に契約を打ち切ったり、五年を超えない範囲に契約期間の上限を決めたりするケースもありうる。

 無期転換後の労働条件にも注意が必要だ。無期労働になった後、賃金が下がったり、勤務時間が変わったりするケースがないとも限らない。梅田弁護士は「業務が同じなのに賃金が下がるのは合理的でないとみなされ、無効となる可能性がある」とする。更新する際の条件に不明・不審な点があれば、その場ですぐ判断せず、都道府県労働局の総合労働相談などに相談することを勧める。

 梅田弁護士は「諸外国と比べて、無期転換ルールの期間五年は長く、もっと短いのが適切。さらに五年も勤めていながら、給料は非正規の時と同じ、正社員との格差を残したままというのは望ましくない。会社には正社員の給料に近づける努力が求められる」と話す。

 

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