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【暮らし】

飛車・角・玉でまず対局! やる気引き出す将棋の教え方

子どもに将棋を教える砂村洋輔さん(左)=東京都新宿区で

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 中学生プロ棋士、藤井聡太四段の活躍で注目を集める将棋。考える力が身に付く将棋を、子どもに覚えてほしいと思う保護者は多いだろう。しかし駒の動かし方などルールは複雑。無理強いすれば嫌いになる心配もある。どうしたら小さな子がつまずかずに遊び方を身に付けられるのか。専門家に聞いた。 (寺本康弘)

 話を聞いたのは、東京都内で子ども向け将棋教室を開く「ねこまど」(新宿区)の講師砂村洋輔さん(25)。日本将棋連盟の将棋普及指導員だ。

 教室には、主に五歳から小学校高学年までの子が通う。駒に触れたこともない初心者でも「一回五十分のレッスンを五回受けると、きちんと対局ができるようになる」と砂村さん。

 とはいっても、縦横九つずつのマス目がある盤上に八種類もある駒を並べ、動かし方や詰め方まで本当に幼児が誰でもできるのかと首をかしげる。砂村さんは「将棋は王様(王将、玉)を取ったら勝ちのゲームと子どもに伝え、最初は飛車と角、玉の三種類だけを使って戦います」と教えてくれた。

図1

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 自分の駒は三種類で三つだけ。確かにすぐ覚えられそう。図1のように駒を並べ、駒の動かし方を教える。先手は子どもに。そうすれば、いきなり飛車か角かいずれかの駒を動かし、相手の駒を取ることができる。

 すでに相手の陣地に突入しているため、駒を裏返す「成り」も分かる。さらに飛車と角を協力して動かし、玉を詰めることも覚えられる。

 三種類の駒だけを使う将棋から始めるのは他にも理由がある。「歩」は一マスずつしか動けず、なかなか相手陣に攻め入れない。砂村さんは「面白みを感じる前に飽きてしまう」と話す。戦うときに大人が心掛けるのは、自分の玉を隅へ隅へと動かすこと。逃げ場所が限定され、子どもでも詰めやすい。

図2

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 三種類の戦いができるようになったら、将棋の基本である歩だけを加えて戦い=図2、次に歩だけなしで戦う。異なる動きをする駒の種類を徐々に増やすことでルールを覚えてもらう作戦だ。並行して詰め将棋を練習すると、もう対局はできるようになる。

 砂村さんは、子どものやる気が継続するコツとして「勝つことと、分かること」と話す。「『分かる』が続くとやる気は継続する。親に勝てると分かると、子どものやる気に火が付く」と親が負けることの大切さも説いている。

◆考える力を養う

 将棋をするとどんな力が養われるのか。

 砂村さんが第一に挙げるのは、考える力。今の時代、スマホやパソコンで検索すれば答えはすぐ探せる。一方、将棋に「正解」はない。じっくり何通りもの手を考え、最善と考える手を選ぶ。「一つのことを集中して考える機会は将棋をするときぐらい」と話す。

 将棋は黙々と指して人と話をしない孤独なものと思われがち。だが対局後の感想戦では、どの手が悪かったかを相手に教えてもらうこともある。「自分本位の考え方では決して強くならない。そこでコミュニケーションの力も養われる」という。

 

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