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【暮らし】

<清水孝幸の続50代の地域デビュー> (14)ボランティア講座

イラスト・佐藤まさーき

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 地域で役立ちたい。ボランティア活動をしてみたい。こういう地域デビューを考えている方もいるのではないか。ただ、福祉関係のボランティアの中には、知識や経験が求められるところもある。まずは知識を学ぶことから始めるのもお勧めだ。

 先月、近所の月島社会教育会館(東京都中央区)で開かれた「認知症サポーター養成講座」に参加した。認知症を理解し、認知症の方やその家族を見守る応援者を増やし、地域で支えようという試みで、応援者になるための講座だ。

 講師は月島おとしより相談センターの職員で、住民ら十四人が参加。土曜午後の約一時間半、ビデオと講義で認知症の症状や接し方を学んだ。

 認知症になると、忘れてしまうだけでなく、時間や自分のいる場所が分からなくなったり、混乱しやすくなるという。対応する側の心得としては「驚かせない」「急がせない」「自尊心を傷つけない」の三つが大事だと知った。受講後、参加者全員が「認知症サポーター」になり、目印のオレンジ色のリストバンドをもらった。

 三月には同じ月島社会教育会館で「目が見えない人と盲導犬のおはなし」という講座に出た。盲導犬を利用している視覚障害者の方から、困っている人を見かけたらどうすればいいかを聞いた。

 いきなり肩をたたかれると、びっくりするので、静かに「お困りですか」などと声を掛けてほしいという。誘導するときも腕を引っ張ったりせず、肘をつかんでもらい、ゆっくりと歩く。視覚障害者は白杖(はくじょう)を手放すと、不安になるので、持ってあげたりしてはいけないそうだ。

 三年前に参加した近所の老人ホームのボランティア入門講座は衝撃的だった。

 肘や膝に動きにくくするサポーターを巻き、足首と手首に重りをつけ、さらに視野を狭くするゴーグルをはめて、高齢者の体の感覚を再現し、施設内を歩いた。つえなしには廊下も真っすぐ歩けず、階段はもう命懸けだ。高齢者が手すりや壁伝いに階段を上る理由が分かった。財布から小銭を出すのも視野が狭いと難しく、買い物で困っているお年寄りを思い出した。

 高齢者や障害者のお手伝いをするには、まず相手を正しく理解しなければならない。そうでないと、こちらが善かれと思ってしたことが相手を不快にさせることにもなる。ボランティア講座は役立つ。

 ちなみに、認知症サポーターになり、休日はオレンジ色のリストバンドをしているが、まだあまり知られていないみたいだ。

 ただ、子どもには大人気。先日、バスの中でお母さんに抱っこされていた女の子の視線を感じ、右手のバンドを見せると、満面の笑み。お母さんには怪しいおじさんだと思われたようだが…。

 ※記者(55)が地域に溶け込もうとする奮闘記。第一・三土曜日に掲載。

 

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