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【暮らし】

<考えようPTA>奮闘する女性会長 仕事も家事も重い負担

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 全国のPTA会長に占める女性の割合はわずか一割強。その少数派は育児、家事、仕事など複数の役割を同時に抱えながら奮闘している。女性会長が生き生きと活動するには「家庭内での役割分担が重すぎて苦しい」との声もある。女性の現役会長と副会長に、引き受けた理由や、家事などとの両立について聞いてみた。 (今川綾音)

 「三人の子がお世話になる学校への恩返しです」。愛知県の四十代後半の女性は、本年度の公立小学校のPTA会長を引き受けた理由をこう語った。校内や市PTA連絡協議会、町内会、子供会など複数団体の会議に会長として出席を求められる。想定はしていたが、多忙な毎日を送る。

 学童保育で働いており、平日は昼すぎから午後六時までは仕事。育児と家事もある。午後七時から会議がある日は、午前中に夕食の準備を済ませ、仕事の後に子どもの習い事の送迎。子どもの翌日の用意をし、夕食を食べられる状態にしてから、早めに帰宅してもらった夫に任せて会議に向かう。一時間半の会議が終わった後も、食事の後片付けなどの家事が待っている。

 「仕事は休みたくないから本当に大変。家事と育児がある分、男性の会長さんよりきつい」と本音を漏らす。だが気持ちは前向き。「頭から『できない』ではなく、柔軟にやっていこうと心掛けている」。ただ仕事や家庭とのバランスも考え、頼める仕事は他の役員に任せるようにしている。

 三重県の五十代前半の女性は、くじ引きで公立中学校の本年度の副会長、来年度の会長に決まった。代わりの人を見つけない限りは断れないという。三人の子を育てている。「末っ子が中学生になり子育てもヤマ場を超え、仕事を増やそうと思っていたのに…」と話す。

 仕事、家事、育児に、同居する義父母の通院の送迎もある。そこに加わったPTAの活動。五月は六回、六月は五回の会合があった。職場の上司に事情を話し、仕事の量を調整してもらった。

 女性は「仕事や子どもの習い事などで母親は忙しい。くじで会長を決めるなら、誰でも無理なくできる業務量にするべきだ」と話す。

 内閣府によると、全国の小中学校のPTA会長に占める女性の割合は最近は、微増傾向にある=表。二〇一六年度は12・8%だった。

 日本PTA全国協議会は「女性会長の割合は都市部が高い傾向にある」と分析する。例えば東京都内では、女性会長は中学校が40・8%(都公立中学校PTA協議会)、小学校は26・5%(都小学校PTA協議会)。一方、地方では1%台の県もある。全国協議会の事務局は「地方では会長は男性に任せ、女性が副会長以下の実動部隊を担う学校が多い」と話し、実態は不明な点もある。

 PTA問題に詳しい文化学園大の加藤薫教授(日本文化論)は「『重要なことは男性に』という日本社会の古い部分がPTAに残っているのでは。社会の動きより一段階も二段階もPTAは遅れている。男女共働き時代だが、子育ての中心的役割はまだ女性が担っている。家庭内のアンバランスな男女の役割分担が、女性会長の生まれにくさや苦労につながっている」と指摘している。

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 PTAに対する意見や体験談を募集しています。メール=seikatut@tokyo-np.co.jp=件名に「考えようPTA」と記入を。

 

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