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【暮らし】

ダウン症、低体重児 あせらず前向きに ゆっくり成長を後押し「母子手帳」

弘晃君(右)に母子手帳に記した成長の記録を見せる佐橋由利衣さん=愛知県江南市で

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 ダウン症や低体重で生まれ、発育がゆっくりな赤ちゃんに合わせた母子手帳が好評だ。各自治体が作る母子手帳には、月齢ごとの平均的な身長や体重が載っているのが一般的なため、こうした子の母親たちの間には「あせったり、落ち込んだりしてしまう」といった声があった。手帳はダウン症、低体重とそれぞれの関係者や団体が作製。いずれも、母親がわが子を他の子と比べずに、落ち着いて見守れるよう工夫されている。 (花井康子)

 「ゆっくりでも成長を大切に思い、幸せを感じられるようになった」。愛知県江南市でダウン症児向けの手帳を使い、五カ月の長男を育てる母親(35)は、こう話す。出産直後は不安からインターネットで大量に情報を集めたが、今は長男の寝顔を見てほほ笑む。

 ダウン症の手帳は「子育て手帳 +Happyしあわせのたね」の名称で、B6判六十五ページ。東海地方を中心とするダウン症児の親のサークル「21+Happy」が四年がかりで作製し、日本ダウン症協会(東京)が七月に発行した。

 ダウン症の特徴や他の親の体験談をまとめたほか、成長や予防接種の記録などを書き込めるようにした。一般的な母子手帳では「つかまり立ち」「歩く」「言葉を発する」など、月齢ごとにできるようになったことを答えるが、この手帳ではできた日を「記念日」として記入するようにした。

 サークル代表で愛知県江南市の佐橋由利衣さん(44)の長男弘晃君(10)もダウン症がある。設問全てに「できない」と答えることに落ち込んだ自身の体験を踏まえ「できたことを喜び、親も前向きになれる手帳を作りたい」と考えた。

 同協会が無料配布している。郵送の場合は、一冊百円の送料が必要。在庫がなくなり次第終了するが、日本ダウン症協会の公式サイトから無料でダウンロードできる。問い合わせは同協会=電03(6907)1824=へ。

ダウン症児向けの母子手帳

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◆先輩ママからメッセージ、励みに

 静岡県では、体重二〇〇〇グラム未満で生まれた新生児のための母子手帳「リトルベビーハンドブック」(A6判七十四ページ)が使われている。一般の手帳は、発育曲線の目盛りの下限を一〇〇〇グラムや二〇〇〇グラムとしているものが多く、それより少ないと記入することができない。そのため、この手帳では目盛りをゼロからにした。

 手帳は、県立こども病院の新生児集中治療室(NICU)に入院した子と親のサークル「ポコ・ア・ポコ」代表で保育士の小林さとみさん(50)らが二〇一二年に四千五百部を作製。NICUのある県内の病院などで配ってきた。

 静岡市駿河区のパート富田友里子さん(28)は妊娠二十七週で出産した。長女(4つ)の出生時の体重は九四六グラム。当時は「大きく産んであげられなかった」と自分を責め、泣いてばかりいたが、この手帳をもらい、先輩ママからのメッセージに励まされたという。

 配布予定部数は終了したが、今後は県と連携し、内容を更新して来年度からの再配布を目指している。

 小林さんは「本来は、いろんな病気や障害に応じた手帳が必要。全国に広がるとうれしい」と話している。

 

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