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【暮らし】

<清水孝幸の続50代の地域デビュー> (18)防災訓練

イラスト・佐藤まさーき

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 大地震が起きて、水道、電気、ガスが止まり、家も使えなくなったら、どうするか。避難所で助け合いながら、暮らすしかない。地域デビューし、近所の人たちと絆をつくるのはその備えにもなる。

 今月三日、私の住む東京・勝どき地区の防災訓練に参加した。会場は災害時に避難所となる中央区立月島第二小学校。百人くらいの住民がそこに備えられているマンホールトイレ、発電機、バルーン投光機などの使い方を学んだ。

 そもそも、避難所は災害が起こったら自動的にできるわけではない。最初に集まった区職員や住民らが協力して設営する。今回の資器材は被災した学校を避難所に変えるためのものだ。

 だが、最初から戸惑った。この訓練には勝どき町会、東町会、西町会、二丁目アパート自治会の四つの町内会・自治会が参加。受付も別々だが、マンション住民の私は町内会とあまり付き合いがなく、どの町内会か分からない。

 そこで入り口近くの受付で「二丁目に住んでいるんですが、どの町会ですか」と尋ねると、年配の女性が「二丁目は東町会、あっちですよ」と優しく教えてくれた。東町会の受付でも「ご苦労さま」と、笑顔で受け入れてもらった。もし、ここに避難することがあっても「知らない顔だ」と追い出されずに済みそうだと、ひと安心した。

 宅配業者のトラックが運んできた救援物資の受け取り訓練に続き、校庭で防災資器材の使い方の講習が始まった。マンホールの上に載せる簡易トイレは三つの部品を組み立てる構造になっているが、実際にお年寄りの男性がやってみると、うまく部品をはめられず、時間がかかった。簡単そうに見えても、コツがあるようだ。

 次に私の出番がやってきた。カセットボンベ二個で動かす発電機の使い方を教えてもらった後、町内会の人たちから「お若い方、どうぞ」とおだてられ、大勢の前で私がやってみることになった。

 まず発電機を開けてカセットボンベ二個をセット。次につまみを「停止」から「運転」に回し、ひもを手前に大きく引いて発電機を回す。

 最後の手順がうまくいかない。思いっきり勢いよく、ひもを引いてみたが、動きださない。二回目も同じ。女性の指導員に「もっと長く引っ張ってください」とアドバイスされ、三回目でやっとエンジン音がした。すると、見ていた参加者から拍手が起きた。

 何事もやってみないと分からない。一度、経験すれば要領が分かり、本番は落ち着いてできる。しかも訓練を一緒にすると、仲間意識が生まれる。いざという時に備え、防災訓練はやはり大事だ。

 ※記者(55)が地域に溶け込もうとする奮闘記。第一・三土曜日に掲載。

 

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