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【暮らし】

親子で調べ奨学金活用を 給付型や無利子も次第に増加

 子どもの大学進学でピークを迎える教育資金。家計に余裕がなく、奨学金を利用する学生は半数に達する。奨学金の多くは返済が必要な「貸与型」だが、中には返さなくてもいい「給付型」もある。条件に合う制度がないか一度チェックしておきたい。 (砂本紅年)

 大学の学費は、一年または半年ごとにまとまった納入が必要になる。どの学部か、国公立か私立か、自宅外生かで異なるが、四年間の学費は大半は数百万円になる。

 そのため子どもが幼いころから、児童手当を使わずに貯蓄に回したり、学資保険に加入したりして準備する人が多い。それでも資金が足りない場合は、奨学金を考えることになる。

 「大切なのは、親子で情報や現状を共有すること」。奨学金制度に詳しいファイナンシャルプランナー中垣香代子さん(53)は話す。「子どもかわいさに貯蓄をすべて教育費に充てると、自分の老後資金が底をつき、将来子どもの負担をかえって増やすことも」。親子のライフプランを立てた上で検討したい。

 奨学金といえば、日本学生支援機構(JASSO)が運営する国の奨学金。進学前の申し込み受け付け(予約採用)は、高校三年生になると始まる。遅くとも三年生になる前の春休みには、親子で話し合いたい。

 大半が利用する「貸与型」は借入金で将来の負担になる。一方、返済不要の「給付型」も増えつつあるのでチェックしておく。

 JASSOは本年度から、給付型の制度を始めた。ただし主な対象は住民税非課税世帯の上に、高校の推薦も必要。来年度は対象は二万人と見込まれるが、ハードルは高い。

 ほかの団体の制度にも目を向けてみる。大学の特待生制度や授業料免除制度は、成績優秀な学生に学費の一部または全額を免除してくれる。特別な入試を受けたり、一般入試などで上位成績者に入ったりして選ばれることが多く、狭き門ではあるが、制度は拡充傾向にある。

 さらに「最近は、大学が独自の奨学金制度に力を入れています」と中垣さん。入試前に申し込む給付型奨学金が増え、中でも都内の私大で首都圏以外の地方出身者らを支援する制度が目立つ=表参照。父母の年収上限は八百万円前後が多い。国立では、東京大に自宅外の女子学生を対象にした奨学金がある。

 入学後でも応募できる奨学金はある。前年度の成績が優秀だったり、公認会計士や税理士、国家公務員などの難関試験に合格したりすると、一定額を支給する大学は少なくない。

 寮の運営に積極的だったり、スポーツやボランティアで成果を出したりして、学業以外で頑張る学生を奨学金で応援する大学もある。ほかに自治体や企業、団体などの奨学金も。JASSOのサイト「大学・地方公共団体等が行う奨学金制度」で探すことができる。

 貸与型も無利子の制度を拡充。JASSOの無利子奨学金はかつて、予算に枠があったため成績と年収の基準を満たしても利用できないケースがあったが、本年度からは基準を満たせば基本的に申請が通るようになった。低所得者向けには、成績基準を実質的に撤廃。卒業後の返還は、本人の年収に応じて月々の返還負担を軽くする仕組みを採り入れた。

 福井県や三重県、岐阜県高山市など自治体によっては、卒業後に移住、定住した人を対象に、奨学金返還の一部を補助している。就職売り手市場の中、入社を条件に奨学金返還を支援する企業もある。

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