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【暮らし】

できる!できない?心配しすぎるより のびのび「発達支援玩具」  

鍵付きの扉を開け閉めして遊ぶ女児。10種類の鍵が付いている=東京都港区で

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 乳幼児の発達を促すおもちゃ「発達支援玩具」が注目されている。玩具は脳科学の知見に基づき、米国で開発された。これまでは医療や福祉の現場で利用されてきたが、わが子の成長や発達を気にする一般家庭にも広がりつつある。 (今川綾音)

 東京都港区のクレヨンハウスのおもちゃ売り場。未就学児から小学校低学年ぐらいの子どもが手を熱心に動かし、おもちゃで遊んでいる。

 売り場の一角に、常時十数種類の発達支援玩具が並ぶ。昨年新たに設置したこのコーナーでは、いずれの玩具も試し遊びできる。

 未就学の男児は、六面の木板に鏡や光る素材を貼り付けた回転式ドラムに夢中。光を反射しながら音をたてるドラムを興味深そうに回している。別の女児は、十枚の扉の付いた木製の四角い箱で遊ぶ。扉には種類の異なる鍵が付いており、開けたり閉めたりを繰り返している。

 売り場には、来店者から「うちの子、□歳なのに△△ができないんです」といった相談が寄せられる。発達支援玩具は、年齢や発達度合いに応じ、成長に必要な刺激を与えるものだ。

 回転式ドラムは、周辺の光や音に関心のない子から注意力を引き出す玩具。標準的なゼロ歳児がするとされる「大人の顔を二、三秒見つめる」「両手を組み合わせて指を動かす」「音の方向を探す」といった動きを促す効果が期待できる。

 鍵付き扉のある木箱は三歳児以降の子向けの玩具。指先で鍵を開け閉めしたり、扉の中におもちゃを入れて回転させ、どこに入っているかを当てさせたりして遊ぶ。楽しみながら指先の機能や記憶力を刺激し、探索能力を高める。

 玩具は手触りのよい木製。米国の教育心理学博士のラリー・メストネックさんが一九七〇年に開発を始めた。博士は「子ども全般の成長の手助けをしたい」と、脳科学に基づき認知能力などを刺激するおもちゃをつくり、「タグ・トイ」と名付けた。

 昨年から「タグ・トイ」を取り扱うクレヨンハウスの岩間建亜(たけつぐ)副社長は「純粋におもちゃとして面白い。遊び方の懐も深く、結果として形も数も記憶力も身に付くのがいい」と話す。一般家庭向けに売り出したのも、「最近は、学校も親も周りの子と少し違うだけで、『成長が遅れているのでは』と問題視しすぎる傾向にあるが、小さい頃から遊びを楽しみながら子の力は伸ばせるから」と説明する。

 発達支援玩具はもともと療育や保育の現場で活用されてきた。発達障害児の保育支援をするNPO法人国際臨床保育研究所(奈良市)が二〇一〇年から輸入を始め、軽度発達障害児や学習困難児のための専門教具として広めてきた。

 同研究所の勝山結夢(ゆむ)研究員(30)は、発達支援玩具が発達障害などの早期発見と子どもの成長支援にもつながるという。「経験のある保育者の目で遊ぶ様子を見れば、その子の発達の度合いを確かめられる。さらに保育者が一緒に遊ぶことで、年齢に応じた発達を促すこともできる」と話す。

 玩具は約七十点あり、中心価格帯は二千円台から五万円台。詳細は、同研究所のホームページにも載っている。問い合わせは、クレヨンハウス=電03(3406)6420=へ。

 

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