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【暮らし】

習い事でのトラブル 子どもの心に寄り添って

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 「小学六年生の長女(12)が通う硬式テニス教室で、長女が打った球が、一緒にいた子どもの眼鏡に当たり、壊れてしまった。全額弁償はしたが、こちらが全ての責任を負わないといけなかったのか」。愛知県内の女性(42)から本紙にこんな投稿があった。子どもにスポーツや習い事をさせる親は多いが、トラブルになった時の対応も考えておくことが必要だ。 (出口有紀)

 今年六月、長女はテニス教室のコートで、コーチの男性がラケットで出した球を打ち返す練習に参加した。初心者の女児が空振りした球を、次の番で後ろにいた長女が打ち返したところ、ボールが女児の眼鏡に当たり、フレームが折れた。

 女性によると、入会時の契約書には「けがの場合、傷害保険が適用になる」とあったが、私物が壊れた場合は対象外。コーチからは「当事者同士で話をしてほしい」と言われたという。女児の親に連絡すると「眼鏡はどうしてくれるんだ」と弁償を求められ、個人賠償責任保険から眼鏡代を支払い、謝罪した。

 他の受講者とトラブルになった時にはどう対応すればいいのか? 「テニス教室で、ボールが人に当たることはよくあることで、参加者はその可能性を考えて競技するのが前提。ただ、このケースは女児はボールを避けられない。眼鏡代の全額弁償は仕方ない」。子どもの事故に詳しい弁護士高島惇さん(33)は話す。

 一般的には、ボールをぶつけた側、ぶつけられた側双方に過失があるケースもある。そんなときは、当事者同士で損害賠償の額を話し合う。高島さんは「弁護士を立てる方がいい場合もある。コーチは間に入らず、淡々と中立の姿勢を保つべきだ」と話す。

 ただ、今回はコーチにも過失があった可能性がある。高島さんは「コーチは、空振りした球は打たない、前に人がいるときは打ち返さないといったルールを徹底させるべきだった」と話した。

 自分の子どもが加害者、被害者になる恐れがあるため、民間の傷害保険の加入も検討した方がいい。すでに入っている火災保険や自動車保険に、個人賠償責任特約や弁護士費用特約が付いている場合もあるので、約款を確認しておく。

 最も重要なことは、親が子どもを信じて、話をよく聞いてあげることだ。女性の長女は、空振りした球を打ち返したことをとがめる言葉を浴びせられたことで、コーチへの不信感が募り、二年半通った教室をやめてしまった。高島さんは「親が子どものために、やることはやったという姿勢を示すと、その後も前向きに進める。今回のように、子どもが傷ついている時は親が責めずに、子どもを信じてあげることに尽きる」と指摘した。

 

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