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【暮らし】

ネット取引広がる仮想通貨 価格乱高下、購入慎重に

日ごとに乱高下する仮想通貨ビットコインの価格表。小笠原匡隆弁護士は購入には慎重になるよう注意を呼びかける=東京都中央区で

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 インターネット上で取引される仮想通貨の利用が広がっている。代表的なのが「ビットコイン」で、大手家電量販店などで決済手段としても使われ身近になってきたことから、今年は「仮想通貨元年」とも呼ばれている。だが、専門家は価格の乱高下が激しいため購入には慎重になるよう注意を呼び掛ける。 (細川暁子)

 三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部の廉了(かどさとる)さんによると、ネット上に流通する仮想通貨は全世界に約八百六十種類ある。日本では四月に施行された改正資金決済法により仮想通貨は資産としての価値が認められ、取引所は登録制に。七月からは、円との交換時に消費税がかからなくなったことも影響して利用者が増えている。

 仮想通貨の時価総額約十五兆円のうち、半分を占めるのが「ビットコイン」だ。発行量の上限は二千百万枚と決まっており、現在の発行量は約千六百万枚。政府や中央銀行のように集権的に通貨を発行、管理する存在はなく、専門の取引所を通じて円やドルに交換できる。取引網に参加する人たちが、ネット上で互いの取引を監視したり承認したりしながら信頼性を担保する「ブロックチェーン」と呼ばれる技術を利用。取引などを集中管理する大型コンピューターは不要になり、コストを削減できるなどのメリットがある。

 銀行に高い手数料を払わずに海外送金できる手段として利用が広がり、利用者は全世界で約千七百万人に。大手家電量販店のビックカメラは、外国人旅行客などの利用も見込んで七月から全国約四十店舗でビットコインでの決済をできるようにした。

 ネット上の取引所に本人確認書類などを送付して、口座を開けば簡単に購入できるが、取引によって価格は変動するため、危険性を指摘する声も。「購入者のほとんどは投資目的。価格は乱高下することが多く、動きの予想は難しい」。研究目的でビットコインを購入し、価格の動きを注視している法律事務所「ZeLo」(東京都)の小笠原匡隆弁護士は注意を促す。

 五月に一コイン約二十万円だったビットコインは、小笠原弁護士がネットで購入した八月中旬には四十万円を超えていた。同月下旬には五十万円まで高騰。九月中旬に中国三大取引所が相次いで仮想通貨の売買を停止したと報道されると、価格は約三十万円まで暴落した。

 仮想通貨を使って高収入が得られるなどとうたうセミナーへの勧誘や購入を持ち掛けるケースが目立ち始め、国民生活センターには、仮想通貨に関する相談が急増。担当者は「四月の法改正で仮想通貨の価値が認められたことで、安心材料として勧誘などに利用されるようになり、被害も増えてきた」と話す。

◆大手銀、独自に通貨づくり

 国内では、大手銀行が独自の通貨づくりに取り組み始めている。いずれも価格は固定され、ビットコインとは性格が異なる通貨だ。

 三菱東京UFJ銀行は独自の仮想通貨「MUFGコイン」を開発。一コイン=一円で、社員同士で割り勘の精算などに利用している。将来的には、銀行利用者がスマートフォンのアプリを使って送金や決済ができる仕組み作りが目標だ。

 独自通貨が広がれば、現金自動預払機(ATM)を減らすなどコスト削減につながるほか、利用者にとっても手数料が不要になるなどのメリットがある。

 みずほフィナンシャルグループにも、円と等価交換できる独自のデジタルマネー「Jコイン(仮称)」を創設する構想がある。三井住友フィナンシャルグループも独自の通貨を試作し、社内の売店で利用実験を進めているという。

 

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