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【暮らし】

<考えようPTA>本部役員誘われたら 前向き選択へ情報収集

 全国の小中学校や高校などで、来年度のPTA本部役員の選考が始まっている。負担の重い会長・副会長・書記の三役は引き受け手がなかなかいないとされ、後任探しに苦労するPTAは多い。中には後任を確保したい一心で、勧誘時に活動内容を過小に説明してしまうケースもあるという。善意で引き受けた人が「こんなはずじゃなかった」と後悔せず、前向きに活動するための注意点とは。 (今川綾音)

 「活動は月一、二回、土曜の午前だけと聞いていたが、実際は毎週で、しかも昼食抜きで夕方まで。説明とあまりにも違う」。東京都内の小学校で本部書記を務める三十代の女性会社員は納得いかない様子だ。

 学校での活動だけでは書類作りが終わらず、自宅に持ち帰り、深夜まで作業を続けたこともある。「来年度もやらなくてはと責任を感じるが、土曜丸一日PTAにとられると家庭が壊れそう」。悩んだ末、来年度の役員継続は辞退した。

 PTA本部は学校単位で構成され、役員は十人前後が基本。学年、広報、校外などの各委員会を束ね、PTA全体を動かす司令塔に位置づけられる。毎年秋から年末にかけて来年度の役員選考が本格化する。

 本部は、行事の下準備と本番の進行、会費の取り扱いなど、どちらかといえば裏方の仕事が多い。保護者や学校、地域など大人相手の活動が大半で、子どもと関わる機会が少ないことも、引き受け手が少ない要因の一つとされる。

 役員選考の方法は、現役役員による声掛けか、役員とは別の「選考委員会」が担うかに大別される。公平を期し、広く人材を募りたい場合、選考委員会に任せるケースが多いという。

 ただ選考委員会の場合、引き受けた側から「説明が実態とかけ離れている」との指摘がある。企画「考えようPTA」には、現役の本部役員や経験者らから、役員に誘われた際の助言も多数寄せられている。主な指摘は以下の二点だ。

 (1)役員経験のない選考委員は細かな活動まで把握するのが難しく、説明不足になることもある。また役員の確保に必死となり、活動を控えめに伝えてしまうこともあるので、年間の活動予定表を現役役員に見せてもらい、判断する。

 (2)仕事理由の欠席や、未就学児の同伴が、どの程度まで許されるかはPTAごとに異なる。現役の役員に雰囲気を聞いておく。

 声掛けされた時の主な注意点を表にまとめた。

 ただ選考委員も戸惑いを感じている。昨年度、選考委員だった都内の三十代パート女性はこう語る。「委員全員が役員未経験者だったが、本部から細かな活動内容は教えてもらえなかった。引き受けてくれた人に『こんなに忙しいと思わなかった』と言われ、申し訳なく思った。今年の選考委員に反省点を引き継いだ」

 声掛けする側に大切なのは準備だ。活動予定表を入手した上で、集まる頻度や活動の曜日・時間帯を具体的に伝える。また仕事をしている人や未就学児への対応を確認しておく。

 「ある日うっかりPTA」(KADOKAWA)の著者で書評家の杉江松恋(まつこい)さん(48)は、小学校のPTA会長を三年務めた体験について「たいへんだったが、地元の人間関係がゆたかになったのはよかった」と振り返った。役員を引き受けるか悩んでいる人には、「事前の情報収集は大事。現役役員に話を聞き、きちんと整理して教えてくれるようなら検討してもいいと思う」とアドバイスする。

 PTAに対する意見や体験談を募集しています。メール=seikatut@tokyo-np.co.jp=件名に「考えようPTA」と記入を。

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