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【暮らし】

<清水孝幸の続50代の地域デビュー> (20)マラソン応援

イラスト・佐藤まさーき

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 スポーツの秋。地元の運動会やイベントに参加してみるのも、地域デビューのきっかけになる。運動が苦手なら応援でもいい。出場した人や、沿道で応援している人たちと一体感が味わえる。

 私の住む東京都中央区は毎年十月、月島、晴海地区を走る区民マラソンをやっている。私も昨年、一昨年は五キロ壮年(五十歳以上)の部に参加。今年は抽選に外れ、出場できず、妻と妻の友人を応援することになった。

 東京マラソンの応援でもらった赤い小さなメガホンを首にかけ、「頑張れ」と書いた白い紙を持って、いざ出陣。まず月島運動場のスタート地点近くで、号砲とともにダッシュしてきた妻と友人をメガホンで応援。その後、近道を通って三キロ地点に移動した。数分すると、妻、続けて妻の友人が走ってきた。「頑張れ」の紙を掲げ、声援すると、苦しそうだったが、目でしっかりと応えてくれた。

 近くに住む知人の女性が十キロの部(五キロのコースを二周)に出場し、優勝候補と聞いていたので、そのまま待っていると、ちょうど五キロの部の最後方のランナーたちが息を切らせながら次々とやってきた。足取りが重く、いまにも歩き始めそうな姿は自分が出場したときと重なる。

 自分も沿道の声援に励まされ、完走できた。恩返しと思って、大きく手をたたきながら「頑張れ」「頑張れ」と叫ぶと、小さな声で「ありがとうございます」。少しスピードが上がった気がした。

 知人の女性が予想通りトップで走り抜けたのを見届けた後、ゴールの月島運動場の方に戻り始めると、妻たちが前を走っているのが見えた。追いつこうと、私も歩道を全力疾走。どうにか追いつき、走りながら応援した。

 最後はゴールで出迎え。知人の女性が「優勝者がゴールします」と場内放送で紹介されながら、かっこよくサングラスを外してテープを切った。続けて、妻と妻の友人が抜きつ抜かれつしながらゴール。そこで知り合いが勢ぞろいし「よかったね」「おめでとう」。笑顔が広がった。応援だけでもマラソンは楽しい。

 話は変わるが、マラソンの後、妻の友人が二歳の女の子、Iちゃんを連れて家に遊びに来た。そこで、私が「イクメン講座」で作った小さな滑り台(十月七日朝刊の小欄で紹介)を見せてみた。

 「気に入った?」と聞くと「いった」。ボールを階段部分からのぼらせ、上から転がして遊んでくれた。以前に手袋で作ったパペット人形「て・ぶく郎」を見せたときに泣かれたのとは大違いだ。

 空き箱やトイレットペーパーの芯で作った不格好な滑り台なのに、何だか分かってくれたようだ。「やった」と喜んでいると、妻が「この前、Iちゃんに遊び方を教えておいたから」。

 ※記者(55)が地域に溶け込もうとする奮闘記。次回は十二月二日に掲載。

 

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