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【暮らし】

事故を記録 トラブル防止 ドライブレコーダー導入者増える

事故の瞬間を記録したドライブレコーダーの映像=JAFメディアワークス提供

写真

 車を運転中に事故に遭うと、自分が悪くなくても相手と言い分が食い違ったりして、思わぬ責任を負わされるかもしれない。トラブルを防ぐ切り札となるのが、車のフロントガラスなどに取り付け、走行中の様子を動画で撮影する「ドライブレコーダー」(DR)。神奈川県大井町の東名高速道路で起きた「あおり運転」による交通死亡事故を機に、自衛策としての映像記録の重要性があらためて注目され、導入するドライバーが増えている。(河郷丈史)

 「欠品多発中」「お問い合わせが混雑しております」−。名古屋市港区のカー用品店「スーパーオートバックスナゴヤベイ」のDR売り場にはこうした張り紙が並び、買い物客が次々と集まっていた。オートバックスセブンによると、あおり運転の事故のニュースが大きく報じられた十月以降、DRの販売台数は全国の店舗で二〜三倍に急増した。

 ナゴヤベイ店では二十〜三十種類の製品を扱い、価格は画質や撮影範囲の広さなどに応じて五千〜五万円。「事故のときに自分に非がないことを証明したい、という声が多い」と同店の柘植久寛さん(36)は話す。撮影中であることを示すステッカーも売られ、車体に取り付ければ危険行為を抑止する効果も期待できるという。

 あおり運転のような悪質なケースに限らず、交差点での出合い頭などありふれた事故でも、自動車保険の過失割合を巡って当事者間で言い分が食い違うなどして、トラブルになることは珍しくない。そんなとき、DRの映像が解決の「切り札」となる事例も増えている。

 例えば、損保ジャパン日本興亜が扱った、並走中の車同士の接触事故の事例。第二車線を走っていたAさんは、第一車線を先行していたBさんが第二車線側へ寄ってきたためぶつかったと主張したが、Bさんは「絶対に寄っていない」と反論。Aさんの車に付けられていたDRの映像を解析すると、Bさんが第二車線に進入してきたことが確認できた。調査結果を説明すると、Bさんは自らの過失を認めざるを得なかった。

 「DRは良いところも悪いところもありのまま写す。正しい運転をすれば『身の潔白』を証明できるし、過失を犯せば自らに跳ね返ってくる」。保険会社などの依頼で事故調査を請け負う「審調社」(東京都品川区)の交通事故解析士で、DRの映像解析に詳しい森沢三郎さん(50)は話す。

 寄せられる映像を分析すると、当事者の主張と全く違うケースも珍しくない。「以前は当事者の説明を聞くしかなかったが、事故は一瞬なので本人も覚えていなかったりして、どうしても自分本位の説明になる。DRは事実が分かるので、すっきりと解決できる」

 ただ、DRで撮影できるのは基本的には前方で、すべての事故を記録できるわけではない。画角が広いものや、カメラが複数ある製品を選べば、価格は上がるものの撮り逃しを減らせる。映像を記録するメモリーカードは次々と上書き保存され、時間がたってから映像を見ようとしても消えている恐れもあるので、容量が大きい方が安心。カードは使っていると劣化するので、壊れていないか時々チェックすることも必要だ。

 森沢さんは「DRが写す映像は、いざというときに自分の人生を救うぐらい重要なもの。取り付けをしっかりやって、メンテナンスを忘れないようにしてほしい」と話す。

 <東名高速道路での「あおり運転」事故> 神奈川県大井町の東名高速道路で6月、追い越し車線に停車中のワゴン車に後続車が追突し、ワゴン車の夫婦2人が死亡、娘2人が負傷。事故の直前、ワゴン車の前に割り込んで減速するなどの妨害行為を繰り返し、ワゴン車を停止させて事故を誘発、死亡させたとして、福岡県の男が自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪で起訴された。

 

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