東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし > 暮らし一覧 > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【暮らし】

<スマホと子ども>ツイッター リスク親も把握して

SNSの危うさを訴えるイメージ写真。自分の個人情報を書くのは、交差点で大書した紙を掲げるのと同じこと(小木曽健さん提供)

写真

 友達だけでなく、見知らぬ人ともメッセージをやりとりできるインターネットの会員制交流サイト(SNS)。便利な半面、子どもが性犯罪の被害を受ける温床となっているとの指摘もある。神奈川県座間市のアパートで男女9人の切断遺体が見つかった事件で、白石隆浩容疑者(27)が被害者に接触したのもSNSを通じてだった。事件でも使われたツイッターは、匿名性が高く性犯罪でも利用される頻度が高い。専門家は、親も仕組みやリスクを把握することが重要だと強調する。 (細川暁子)

 ツイッターは、アカウントを作り、自分のつぶやきを「ツイート」として投稿する。公開すると、誰でも閲覧でき、「リプライ」としてつぶやきへの感想などを送ることができる。また、閲覧者が「ダイレクトメッセージ(DM)」を送り、メールのように二人でやりとりすることもできる=イラスト。投稿をキーワード検索し、自分と同じ分野に関心がある人を探すことも可能だ。

 警察庁の今年上半期(一〜六月)のまとめでは、SNSをきっかけに青少年保護育成条例違反や児童買春などの性犯罪被害を受けた十八歳未満の子どもは過去最多の九百十九人。その95・1%は女性だった。利用していたサイト別では、ツイッターが三分の一強を占め最多だった。

 総務省の二〇一五年調査では、SNS利用者の最近一年の実名利用率はフェイスブック84・8%、LINE(ライン)62・8%に対し、ツイッターは23・5%と低い。

 子どもがかかわる性犯罪事件の刑事裁判を毎年二十件ほど担当する奥村徹弁護士(大阪市北区)は「ツイッターは児童買春の温床になっている。普通の子が小遣いほしさに売春をしている」と指摘する。実際、警察庁のまとめでは、被害を受けた子どもの38・7%は援助交際をにおわせる投稿をしていた。

写真

 奥村弁護士によると、こうした子どもは、「援垢(あか)」や「円」という言葉をよく使う。「援」や「円」は援助交際、「垢」はアカウントの隠語だ。「好きなアイドルのコンサートに行くために五千円が欲しい」や「性行為を教えてほしい」「危険なことをしてみたい」などの動機が多いという。

 これまで奥村弁護士が担当した被害者で最も年少だったのは小学六年の女児(12)。「まだネットの危険性が理解できない子どもには、スマホを買い与えるべきではない」と訴える。

 一方、「11歳からの正しく怖がるインターネット」(晶文社)などの著書がある小木曽健さんは、「SNSは子どもたちが気持ちをはき出す救いの場でもあり、『使うな』というのは難しい。どのようなリスクがあるのか、具体的に示すことが大事」と話す。

 小木曽さんは、全国の小中高校で講演する際、交差点で学校名と携帯番号を書いた紙を掲げる女子生徒のイメージ写真を見せる。自分の情報をSNSで公開するのは、これと同じことだと示すためだ。

 トラブルに遭った子どもからの相談にも応じる。ツイッターで仲良くなった男性からDMでのやりとりから住所を特定され、自宅近くまで押しかけられた、女性のふりをしてやりとりしてきた男性に自分の写真を送ってしまったといった相談があるという。

 総務省のホームページから見られる「インターネットトラブル事例集」なども参考になる。小木曽さんは「親もSNSを使って危険を知り、注意点を子どもに言い聞かせることが大切。その上で親子でルールを決め、守れなかったら解約するくらいの心づもりが必要」と話す。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報