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【暮らし】

<清水孝幸の続50代の地域デビュー> (21)イベントスタッフ

イラスト・佐藤まさーき

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 サークルや趣味講座でよく訪れる近所の公民館で「国際交流のつどい」のボランティア募集のチラシを見つけた。主催する団体の行事によく参加し、お世話になっている。「たまには役に立ち、恩返しをしたい」と応募した。

 東京の中央区文化・国際交流振興協会の主催。毎月、区内在住・在勤の外国人と地元の人が交流する「国際交流サロン」を行っていて、私も七夕飾りや盆踊り、もんじゃ焼きづくりなどに参加させてもらってきた。

 「国際交流のつどい」は年一回、開催される大きなイベント。百三十人以上のボランティアが参加し、築地社会教育会館の全館を使って、華道、茶道、長唄三味線などを外国人に体験してもらう。

 私は区の若い男性職員二人、年配の男性ボランティアと一緒に防災コーナーを担当。防災グッズや被災地のパネルの展示のほか、防災食を試食してもらう。メニューはフリーズドライのチキンシチューと、アルファ米の五目ご飯だ。

 防災食は区の職員が作るので、私は会場づくりと来場者の案内をお手伝いした。会場づくりは一時間で終わり、まずは腹ごしらえだ。明治座のお弁当が無料で支給され、おかずは煮物と焼き魚。防災食のチキンシチューも副食につけ、昼からごちそうだ。

 食べ終わると、今度は館内放送で「四階の料理教室でスリランカティーとけんちん汁、ロシア料理の試食ができます」。正午の開場前、料理コーナーでボランティアにも、来場者に提供する料理が振る舞われる。もちろん行かない手はない。ロシア料理のピロシキとボルシチ、甘いケーキをぺろりと食べた。

 超満腹で本番に。地味なコーナーだが、予想外に見学者が続々とやってくる。案内するだけなのに、目が回るような忙しさだ。当然、外国人も来る。白人のお父さんと小さな女の子が家具転倒防止の仕組みを見せる部屋のミニチュアを興味深そうに見ていたが、言葉で説明できない。

 そこで、まずミニチュア全体を揺らして、寝ているカエルのぬいぐるみの上に家具を倒した。次に転倒防止器具をつけ、もう一度、揺らし、倒れないことを見せた。すると、女の子がニコッと笑った。

 踊りコーナーのサルサの時間に休憩を取り、そこにも参加。サルサを始めて七カ月。少し踊れる。交代で男女がペアになり、先生の掛け声に合わせて基本的なステップで踊った。気持ちいい汗をかいた。

 手伝いに来たのに、お客さん以上にイベントを満喫した。役立つだけでなく自分も楽しいボランティアは多い。「来年も防災コーナーでお会いしましょう」。夕方、後片付けを終えると、笑顔で新しくできた仲間と別れた。

 ※記者(55)が地域に溶け込もうとする奮闘記。次回は一月六日に掲載。

 

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