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【暮らし】

透明化進むLPガス料金 国が指針、省令も改正

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 全国の総世帯の約四割が利用しているLPガス。自由に価格設定できることもあり、料金の不透明性が長く指摘されてきた。国は今年に入り、料金の透明化に向けた指針の施行や省令改正などを進めた。業者に対し、請求書に料金の内訳を明記するよう義務付けたほか、ホームページ(HP)などで料金を公開するよう求めた。消費者団体などは「これまで要望してきたことが盛り込まれた。一歩進んだ」と評価している。 (砂本紅年)

 「ガス料金が高すぎる」。東京都町田市の消費生活センターに昨春、大学一年の息子を持つ母親から相談が寄せられた。

 息子は練馬区の自宅から同市の賃貸アパートに引っ越したばかり。アパートはLPガスだった。母親は「息子はほとんどガスを使っていないのに、請求額は月約八千円。自宅は都市ガスだが、夫ともう一人の子どもの三人で暮らしていても月五千〜六千円。おかしい」と怒った。

 都市ガスは今年四月の小売り事業自由化以前、料金設定に国の認可が必要だった。一方、LPガスはもともと料金の規制がなく、自由に設定可能。都市ガスに比べ料金が高い傾向があり、各地の消費相談窓口には、「請求書に内訳の記載がなく、単価が不明」「値上げが半年で三回もあり納得できない」など苦情が絶えなかった。

 前出の学生の母親は「家賃が安いと思って契約したら、ガス代が高かった」と話した。このケースでの料金内訳は不明だが、建物を建てる時、LPガス販売業者が家主らとの合意で、給湯器など付随設備の設置費用を負担。その費用を毎月のガス料金に上乗せした結果、料金が高くなったと考えられる。

 LPガスの原料はここ数年、輸入価格や国内卸売価格が下がっている。一方、小売価格の下落幅は小さく、料金が高止まりしているとの指摘もある。請求書は業者によってまちまちで、基本料金の記載がなかったり内訳がなかったりするケースも目立つ。

 電力、都市ガスと小売り事業が自由化される中、資源エネルギー庁は今年二月、LPガスの料金透明化に向け指針を施行。六月には関係省令などを改正した。

 HPなどで前もって料金を公開する業者が少なかったため、消費者は業者選びがしにくく、業者間の競争も働きにくかった。指針では、自社の標準的な料金メニューや平均的な料金例などをHPや店頭に示すことなどを求めた。

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 アパートでは、家主が選んだ販売業者から切り替えるのは難しく、ガス料金に設備費用が含まれるケースもある。今回の省令などの改正では、契約時に交わす書面や請求書などに設備費用のことを明記することや、基本料金と従量料金など内訳を明記し顧客に算定方法が分かる形で請求することを義務づけた。

 全国のLPガス業者数は一万九千弱。HPがない零細企業も多い。業者でつくる「全国LPガス協会」の担当者は「多くは一定地域で昔から商売し、山間へき地や離島にも供給している」として、都市部で効率的に経営できる都市ガスより料金が高くなることもあると説明。一方で、指針などに示されたように料金の問い合わせなどには、消費者目線で説明できるよう業者に周知徹底を図っているとする。

 エネルギー問題に詳しい消費生活アドバイザーの林弘美さんは「入居予定の物件がLPガスの場合、業者を教えてもらい、料金を確認してから契約して」と話している。

<LPガス(LPG)> 液化石油ガスの略称。主成分がプロパンの場合はプロパンガスと呼ばれる。大半は輸入。家庭へは、LPガスが入ったボンベを事業者が配送している。一方、都市ガスの原料は、メタンを主な成分に持つ天然ガス、海外産の液化天然ガス(LNG)が大半を占める。家庭へは、地中のガス管を通じて供給される。

 

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