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【暮らし】

<くらし調査隊>郵政民営化前の定期性貯金 満期放置で権利が消滅

定額郵貯証書の見本=独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構提供(一部画像処理)

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 愛知県内の女性(71)から本紙生活部に「昔預けた定額郵便貯金が払戻期限を過ぎてしまい、もらえなかった」との電話があった。管理する行政法人によると、二〇〇七年の郵政民営化前に預けた定額郵貯、定期郵貯、積立郵貯は満期から二十年二カ月たつと、払い戻せなくなるという。家族が集まる年末年始、失念している貯金はないか、確認するのがおすすめだ。 (出口有紀)

 女性は十月初めに自宅のたんすを整理中、息子名義の定額郵貯の証書を見つけた。一九八五年に一万円を預け、満期は十年後の九五年だった。近くの郵便局で払い戻しを受けようとしたが「満期から二十年以上たっているので、できない」と言われたという。

 女性は、お金を預け証書を受け取ってまもなく転居。郵便物などの転送は申し込んだものの、郵貯の証書の住所変更はしなかったという。満期を知らせる通知や、満期から二十年を経過すると権利消滅の案内「催告書」が送られるが、いずれも転居で受け取れなかった。「転送できなかった案内は局に戻ったはず。局に伝えても『戻ってくる郵便物が多く、確認できない』と言われた」と話す。

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 満期後に受け取れる金額は、利子を含めて二万円ほどになる予定だった。「少ないが、私たちにとっては大切な貯金。受け取れなかったお金はどうなるのか。他にも、払い戻しを忘れている人がいるかもしれない」と心配する。

 民営化前に契約した定額、定期、積立の各郵貯を管理する独立行政法人「郵便貯金・簡易生命保険管理機構」(東京都港区)によると、催告書を送ってから二カ月以内に払い戻しの手続きをしないと、旧郵便貯金法の規定により権利が消滅してしまう。

 満期の知らせや催告書を受け取るためには、証書や通帳の住所変更が必要だ。担当者は「郵便局に出す転居届とは別に、証書や通帳の住所も変更手続きをしてもらわないと、重要なお知らせを届けられない。機構としても、大事な貯金の権利消滅は避けたい」と呼び掛けている。

 払い戻しをされなかった貯金は国庫に入る。払い戻しの権利が消滅した貯金額は〇七年度が四十八億円、一六年度は六十三億円。民営化後の定期性貯金は満期後も権利が消滅することはない。

 問い合わせは、近くの郵便局か、ゆうちょ銀行へ。

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 読者の知りたいこと、疑問に思っていることを、記者が調べます。質問は「くらし調査隊」とタイトルを書き、ファクス03(3595)6931か、Eメールseikatut@tokyo-np.co.jpへ。

 

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