東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし > 暮らし一覧 > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【暮らし】

硬い豆、小さい子は注意を 気道に詰まる危険性

アーモンドをのどに詰まらせて亡くなった桜井みのりちゃん(遺族提供)

写真

 食べ物をのどや気管支に詰まらせる「気道異物」の事故。子どもの命を奪うこともあるが、アーモンドや節分の福豆などの硬い豆類が原因となることはあまり知られていない。福豆やナッツ類は小さいかけらでも気管支に詰まる危険性があるため、二月の節分を前に、わが子を失った親や医師らが十分注意するよう訴えているほか、消費者庁も幼い子どもには与えないよう呼び掛けている。 (細川暁子)

 さいたま市の小学四年生桜井みのりちゃん=当時(10)=は約五年前、アーモンドをのどに詰まらせて亡くなった。事故は、当時中学生だった姉と一緒に自宅で留守番をしていた時に起きた。みのりちゃんは姉とゲームをしながら、一センチほどのアーモンドを口に入れた直後に、せきこんでけいれん。姉は救急車を呼んで背中をさすり続け、みのりちゃんは病院に運ばれたが脳死状態となり約三カ月後に亡くなった。アーモンドは水分を含んで膨らんでおり、気管にすっぽりはまっていた。

 母親の知佳子さん(50)は「もちや、こんにゃくゼリー、あめはのどに詰まりやすいと知っていたが、まさか一粒のアーモンドが娘の命を奪うとは思わなかった。みのりの事故を教訓にして、お子さんに硬い豆を食べさせる時には十分に気を付けてほしい」と話す。

 消費者庁の調べでは、食べ物が原因で十四歳以下の子どもが窒息して死亡する事故は二〇一〇〜一四年の五年間で百三件が起きている。原因となった食品の内訳はマシュマロやゼリー、団子などの菓子が十一件と最多だが、七十二件は何を食べたのかは分かっていない。しかし、三重耳鼻咽喉科(津市)の坂井田麻祐子院長は「乾燥した豆類も、気道異物事故の原因で多い。豆はのどに詰まる窒息だけではなく、かけらが気管支に詰まる危険性もある」と話す。

 乾燥した豆は硬いため、特に歯が生えそろう前の小さな子どもは、うまくかみ砕くことができない。事故は子どもが豆を口の中に入れている時に転んだり、驚いて息を吸ったりした弾みで気管支に入り込むケースが多い。豆が気管支に詰まると呼吸が難しくなり、気管支炎や肺炎を起こすことも。取り除くには全身麻酔をして、のどから細長い器具を挿し込んでつかみ取る手術が必要となる。

 異物がのどに詰まり窒息した場合は、五分以内に取り除かないと死亡してしまう危険性が高い。万一の時には、一歳未満の場合は頭を下にして背中を五回たたいた後に、あおむけにして胸の中央を五回押すことを繰り返す。一歳以上の場合は背後から両手を組んで腹部を圧迫して異物を出す。

 消費者庁によると一〇〜一六年に豆を気管支などに詰まらせ、病院を受診した三歳以下の子どもは少なくとも二十人以上おり、半数は入院していた。同庁は、三歳ごろまでの子どもには福豆やナッツ類を与えないよう呼び掛けている。

気道異物事故予防をテーマにした絵本「つぶっこちゃん」を手に、豆が気管支に詰まる危険性を説明する三重耳鼻咽喉科の坂井田麻祐子院長=津市で

写真

◆対処法、絵本で学ぶ

 坂井田院長は昨年十一月、気道異物事故の予防をテーマとした絵本「つぶっこちゃん」を自費出版。豆の他にも、のどに詰まらせることが多いミニトマトを半分に切って食べることなどを絵本で提案している。緊急時の気道異物除去法や心肺蘇生法などもイラスト入りで掲載しており、「親子で食べ物による事故の怖さや予防法を学んでほしい」と話す。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報