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【暮らし】

タブレットで「認知」テスト 記憶、注意力などゲーム感覚で

「脳活バランサーCogEvo(コグエボ)」のテスト画面をタッチする女性

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 近ごろ親の行動がおかしいときがあるけれど、認知症かしら−。親が年を取るにつれ、こんな心配が頭をよぎる。といって確証はなし。本人の説得は難しく、すぐに病院に連れて行くのもハードルが高い。こんな場合、タブレット端末などを使い、ゲーム感覚でできる認知機能テストもある。 (白鳥龍也)

 「中央の図形と同じものをまわりから選んで」「昨日は何月何日?」

 タブレットの画面に次々、問題が表示される。「あっ間違えた。こっちだ」。足のけがや虚弱のため、神奈川県内の自宅で介護を受ける要介護4の女性(81)は、真剣なまなざしで画面にタッチし続けた。

 十五分ほどでテストを終えると「平均三級」の結果が。特級〜五級の六段階評価のほぼ真ん中で「おおむね安定した認知機能」との判定。「最近、訳の分からないことを言うことが多い」と指摘していた家族も「まあまあね」とひと安心。本人は「難しかったけれど、これ面白い」と話した。

 女性が挑戦したのは、大学や自治体との連携で認知機能研究に取り組む情報通信企業トータルブレインケア(神戸市)=電078(335)8467=が開発した「脳活バランサーCogEvo(コグエボ)」というプログラム。インターネットで専用サイトを開いて利用する。

 記憶力、注意力、計画力、空間認識力、見当識(日時や場所の認識力)の認知機能の五つの能力に関し、十二種のテストがある。自由に選んだり、五種類の基本問題に挑戦したり、ゲーム感覚で認知機能のチェックやトレーニングができる。

 結果はネット上に記録され、五つの能力のバランスが五角形のチャートで表示される。繰り返して行えば、それぞれの能力がどう改善、または衰えているか、折れ線グラフで表示される。

 開発を監修した国立成育医療研究センター医員で、東京都のはしもとクリニック経堂院長の橋本圭司さんは「認知症の診断には、専門医による問診、画像検査、神経心理学的検査など多くの労力と時間を必要とする。タブレットなどを使い認知機能の変化を客観的な数字で“見える化”できれば、効率的な診断や治療の提案ができるようになるだろう」と話す。

 プログラムは今のところ介護施設や病院、薬局向けに提供されているが、五月以降、有料で個人利用できるようにしたいという。

 家庭でできる認知機能テストとしては他に、七十五歳以上のドライバーが運転免許更新時に義務付けられている検査について、警察庁がホームページで実際の問題や採点方法を公開。ページから用紙を印刷すれば、家族が試験官を務め記憶力・判断力を「心配ない」「少し低い」「低い」と三段階で判定することができる。

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 また、オリックス自動車(東京都)は、高齢ドライバーの愛車に専用端末を取り付け、家族のスマートフォンなどに速度超過や急加速、急ブレーキなど危険な運転行動の有無や現在位置をリアルタイムで知らせるサービスを提供している。

◆受診までに平均9.5カ月

 認知症の人と家族の会が、2013年、会員家族約500人に聞いた調査では、認知症を疑う変化に気付いてから医療機関を受診するまでにかかった期間は平均9.5カ月。そこから確定診断までに平均6カ月かかっていたことが分かった=図。

 受診まで時間がかかったのは「本人が病院に行きたがらなかった」「変化は年のせいと思っていた」などの理由から。さらに診断まで長かったことで「適切な治療がされなかった」と後悔する家族も目立った。

 

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