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【暮らし】

分譲マンションでのトラブル防止 管理組合で可否合意を

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 一般住宅に旅行客を有料で泊める「民泊」が六月から全面解禁され、住宅地にあるマンションなどでも宿泊が可能になる。民泊は空き部屋などを使って手軽に宿泊ビジネスが始められる半面、旅行客による騒音やゴミ問題など近隣住民とのトラブルも懸念されている。三月十五日からは先行して民泊の届け出が始まる。専門家は「家主が多い分譲の建物は、届け出開始までに必ず合意形成を」と注意を呼びかける。 (添田隆典)

 今回の解禁は、六月十五日の住宅宿泊事業法(民泊新法)施行に伴うもの。部屋の広さや設備など条件=表=はいくつかあるが、都道府県などの地方自治体に届け出れば、誰でも所有する家や部屋を年間百八十日を上限に貸し出すことができるようになる。

 分譲マンションの場合は建物全体で民泊禁止とうたっていなければ、戸別に届け出ができる。「何も取り決めをしていない場合も、『禁止する意思がない』と自治体がみなせば民泊はできる」と、日本マンション学会中部支部長を務める花井増実弁護士は話す。届け出が受理された後で、管理組合が規制を掛けようとすると、民泊を営む家主の権利侵害にあたるとみなされる可能性があり、係争事案にもなりかねないという。

 トラブルを避けるには、どうしたらいいのか。一つは、住民が話し合い、入居者のルールを定めた管理規約を改正して民泊の可否を明記すること。受け入れない場合は、三月十五日までに規約を改正し民泊禁止を明記すれば、戸別の届け出を防ぐことができる。

 厳密にいえば、これまでも旅館業法に基づき、マンションでも民泊を行うことはできたが、ホテルや旅館が営業できる商業エリアに限られていた。民泊新法はエリアを限定していないため、住宅街などでも規約ではっきり意思表示をしておく必要がある。

 手続きには管理組合の総会を開き、全オーナーの四分の三以上の賛成などが必要となる。総会を招集するだけでも手間と時間がかかりそうだ。

 次善の策となるのが管理組合の理事会での決議だ。理事会でひとまず民泊の可否を決議しておけば、自治体の判断材料になる。

 全国の管理組合には自治体やマンション管理業協会(東京都)などを通じて、規約改正を求める通知が出ている。協会の担当者は「トラブルを敬遠して、禁止の方向にするマンションが多そうだ」と話す。

 ただ、既存の住宅を使う民泊は初期投資が抑えられるうえ、近年、急速に増える外国人旅行者をうまく取り込めれば、収益も期待できる。管理業者に委託すれば家主が住んでいなくても民泊はできるため、空き部屋や空き物件の利活用につながる側面もある。

 花井弁護士は「マンションを自主管理している組合などは規約改正に関する周知が十分、届いていない可能性もある」と話す。自主管理組合向けには、公益財団法人マンション管理センター(本部・東京都)などが相談に応じている。

 なお、規約改正や決議で住民の意思統一が図れるのは分譲に限られる。賃貸物件で借り主が民泊を行う場合、家主から転貸の認可を受けたうえで、自治体に届け出をする必要がある。

 ◇ 

 「始まる民泊」は随時掲載します。民泊に関する情報や意見、体験などをメール=seikatu@chunichi.co.jp=かファクス=052(222)5284=でお寄せください。

<住宅宿泊事業法> 民泊のルールを定めた法律で、昨年6月に成立した。届け出は原則、都道府県が窓口。ただし、政令指定都市、中核市、特別区で受け付ける場合もある。営業禁止エリアは原則ないが、地域ごとに条例で規制は可能。罰則は旅館業法で規定され、無届け営業の場合、6月以下の懲役か100万円以下の罰金またはその両方が科せられることがある。

 

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