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【暮らし】

<パパ初育休 口唇裂の子を迎えて> 反響・その後

生後7カ月を過ぎ表情も豊かになった三男を肩車する筆者=東京都内の自宅で

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 一月に五回にわたって連載した記者の体験記「第4子 パパ初育休 口唇裂(こうしんれつ)の子を迎えて」に多数の反響が寄せられた。三男の誕生に合わせ、二カ月間の育児休業を取得した政治部の山口哲人記者(37)に、同じような子を持つ親や育休中の男性、孤独な子育てに悩む女性らから共感や励ましの声が上がった。声の一部と、山口記者の「その後」を報告する。

【反響】頑張ろうと思った/育休の広がり期待

 「非常に勇気がある。書いてくれたことをありがたく思う」と電話をくれたのは、同様の経験をした川崎市の女性(77)。唇の上や口の中の上部が裂けた「口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)」の子は約五百人に一人の割合で生まれる。だが病気の存在や、度重なる手術が必要なことなどは、あまり知られていない。

 昨夏、やはり口唇裂のある男児を出産した東京都の女性(28)は「よく似た境遇に驚きました」とメールをくれた。今後も通院や歯列矯正が続くが、連載を読んで「うちも家族で頑張ろうと思いました」。

 また、かつて妊娠中に赤ちゃんの口唇口蓋裂が分かったという埼玉県の中田陽代さん(35)は、自身の経験と重ね「涙を流しながら読みました」。山口記者の前向きな変化に「希望を感じた」と書き、後日談も知りたいと添えた。

 「親の心情を知ることができた」というのは、連載にも登場した、幼いころ自身も口唇口蓋裂があったという山口記者の知人男性(43)。男性には、乳幼児期の写真がないという。だが、両親の複雑な感情に思いをはせ「ようやく親に感謝することができた」とつづった。

 男性の育休取得の広がりに期待する声も。愛知県瀬戸市の公務員、平塚啓さん(42)は十二年ぶり二度目の育休中で、一歳半の三男らの育児と家事を担う。連載に「経験が記事になるのはありがたく、楽しみ」とエールを送った。平塚さんが毎日、インターネット上で書いている日記でも、育休希望者に「職場の人には早く伝えるほど、援軍が出てくる」などと助言する。

 名古屋市の三十代の女性も現在、育休中。だが子育ては「想像をはるかに超えて大変」として、国などの支援も必要だが「上司になる人たちには、子育ての大変さを知っていてほしい」と訴えた。 (竹上順子)

【その後】周囲に支えられ成長

 連載を書いたのは、これから口唇口蓋裂の子を迎えるママやパパに「治るから絶望しないで」と伝えたかったから。掲載後、「家族が口唇口蓋裂だったが、立派に大人になった」とのお便りをたくさんいただき、逆に勇気付けられた。

 三男は順調に成長中。小学校入学時ごろ、口と鼻の形を整える二度目の手術を受ける予定だったが、二歳に早まりそうだ。生後七カ月を迎えてつかまり立ちを覚え、私のことも認識している。だが、誕生直後から寄り添ってきたのに、育休が明けると抱っこしただけで大泣きされるようになった。昨年九月中旬に政治部に職場復帰し、直後の衆院選と野党再編の取材で忙しく、ふれあう時間が減ったのだから仕方ないが…。

 仕事のやり方が育休前後で変わったかといえば、そうでもない。ただ、意識は変わった。平日の家庭への貢献度の低さは週末に挽回する気概を持つようになった。お便りの中に「手伝えなくても奥さんの話し相手になるだけで十分ですよ」とのアドバイスがあった。妻(37)に「育休前後で何か変わった?」と聞くと「夫婦で会話が増えたね」。

 連載を終え、記事を目にした先輩から「四人もいて大変だろう」とお米が贈られてきた。PTAなどの仲間も、今まで以上にわが家の子どもたちに目を掛けてくれる。周囲の温かさに支えられながら、家族で成長していきます。 (山口哲人)

 

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