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【暮らし】

携帯SMSに架空請求 アマゾン、ヤフー装い「未納金ある」

記者の携帯電話のSMSに届いたアマゾンをかたるメッセージ(一部画像処理)

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 インターネット通販大手の「アマゾン」や検索サイト「ヤフー」を装った架空請求が多発している。「有料動画サイトの未納料金がある」などの内容が携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)に届き、慌てて記載された電話番号に連絡すると、ギフト券を購入してコンビニで支払うよう指示されるのが特徴。女性の被害者も多く、中には千九百万円を払ってしまった人も。被害総額は二億円を超え、消費者庁などは、こうしたメッセージは無視するよう呼びかけている。 (細川暁子)

 先月二十六日、会社で仕事中、記者の携帯電話にもアマゾンからの送信をかたるSMSのメッセージが届いた。開くと「有料動画の未納料金が発生しています。本日中にご連絡なき場合、法的手続きに移行します。アマゾン(株)受付センター」という内容と、電話番号が記載されていた。

 東京(03)から始まる電話番号にかけてみたところ、男性が「アマゾンジャパン債権事業部です」と名乗って電話に出た。身に覚えがない請求であることを伝えると、落ち着いた口調で「お調べしますので、お名前、生年月日、お電話番号を教えてください」と言う。「本当にアマゾンですか?」「ネットに債権事業部の電話番号は載っていますか?」とパソコンで検索しながら聞くと、電話は一方的に切れた。

 記者は、子どもが携帯をいじっている際に有料動画に接続してしまったのかもしれないと思い、短い文面の中での「法的手続き」という言葉にドキッとして電話をかけた。普段SMSはほとんど使わず、自分の携帯番号を知っている相手からしかメッセージが届かないと思い込んでいた。だがよく考えれば、相手が携帯番号を適当に入力すればSMSは誰にでも送ることができる。

 消費者庁によると、アマゾンの名前をかたりSMSのメッセージを送りつけ、連絡してきた消費者にお金を払いこませる架空請求の詐欺は二〇一五年から報告され、昨年九月末までに被害総額は一億千二百万円に上っている。全国の消費生活センターなどには約二万件の相談があり、被害者は四百十四人。うち女性が二百十五人と男性より多かった。

 最近は同様にヤフーをかたる手口も急増。被害総額は昨年一月から十一月末までに九千七百万円で、南関東の四十代女性は千九百万円をだまし取られた。被害者の内訳は男性百三十五人、女性百四十四人と、アマゾンをかたる手口と同様に女性の被害者の方が多い。消費者庁の担当者は「家族が有料動画を見たと思い込んで、払い込んでしまう女性が多いのではないか」と推測する。

 手口は、消費者がメッセージに書かれた電話番号に連絡すると、「動画サイトの利用で未納料金がある」と実際には存在しない未納料金の支払いを求める。「本日中に支払わなければ、自宅や職場に連絡し、ブラックリストに載せて預金や財産を差し押さえる」「今払わなければもっと代金がかさむ」などと、不安感をあおり続けるケースもあるという。

 消費者が承諾した場合は、コンビニでギフト券を購入して番号を伝えるよう指示。拒否すると「お客さまに使用履歴がないことを立証できると思うので、いったん○○万円を支払えば後で返金されます」などと言って支払いを求めてくるという。

 プラム綜合法律事務所(東京都)の梅沢康二弁護士は「SMSのメッセージには恐怖心をあおる法律用語が並んでいることもあり、アダルトサイトなどの有料動画を見たことがあって後ろめたいと思う人に加え、『何のことか分からないので聞いてみよう』というまじめな人も電話してしまいがち。被害者は恐怖から逃れたくて、お金を支払ってしまうのではないか。このようなメッセージは無視して、連絡しないことが大事」と話す。

 

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