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【暮らし】

<清水孝幸の続50代の地域デビュー> (24)保育園児と防災訓練

イラスト・佐藤まさーき

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 ラテンダンス・サルサやアロマセラピーのサークル活動、料理教室などの趣味講座で通っている築地社会教育会館(東京都中央区)の避難訓練に参加した。隣接する築地保育園との合同訓練だ。

 この施設は地域デビューを始めてからよく利用している。ここで大地震が起きたら、どうしたらいいのか。アロマのサークルでは代表をしていて、責任もある。でも、本音はかわいい子どもたちと訓練するのが楽しそうだと、申し込んだ。会館利用者の参加は私を含め六人だけだが、園児は約百人も参加する。

 期待を膨らませてやってきたが、さすがに避難訓練は別々。私はまず二階の洋室に案内され、そこで待機するよう言われた。直前の週末にサルサのサークルで使った部屋で、五時間半も踊っていた。訓練のシナリオは知らされず、何が始まるのか分からない。部屋には自分だけで、誰も見ていない。「踊っているときに地震があるかもしれない」なんて言い訳を頭に浮かべつつ、サルサのステップやターンの練習をしながら待った。

 すると、緊張感のなさを見透かすように、「緊急地震速報。地震の発生に備えてください」という館内放送が流れ、訓練開始。「かなり強い地震がありました。落ち着いて行動し、その場に待機して」とアナウンスが続いた。

 すぐにヘルメット姿の男性職員がやってきたが、「大丈夫ですか。指示があるまでお待ちください」と立ち去った。どういう展開になるのか読めずにいると、「津波警報が発令。職員の指示に従って三階の屋内体育館に避難してください」と再び館内放送。やっと訓練の流れがのみこめた。

 男性職員に先導され、階段で一階上の体育館に移動。他の部屋にいた参加者も同じように集まり、訓練は終了。避難の手順を知ったのはよかったが、少々、拍子抜けした。

 少しすると、園児たちが保育士さんに連れられ、体育館に続々と入ってきた。手づくりのカラフルな防災頭巾をかぶり、しっかり隣の子の手を握り締めている。騒ぎたい盛りなのに、おしゃべりをしている子はほとんどいない。初めての避難訓練なのか、みんな真剣だ。一緒に遊ぶなんて雰囲気はない。緊張感に欠ける自分が恥ずかしくなった。

 この後、地下の駐車場で消火訓練。保育園からも年長組の園児が参加した。四人一組になって、消防署員から消火器の使い方を教えてもらいながら、順番に炎の絵に水をかけた。遊び始める子はいなくて、ここでも真剣。地域の防災訓練は五回目になる私は軽い気持ちで臨んでいたが、本番は余裕がないはず。子どもたちの姿に教えられた。

 ※記者(56)が地域に溶け込もうとする奮闘記。次回は四月七日に掲載。

 

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